令和4年3月定例会 3月1日
◯7番(中村直行) 新政令和の中村直行でございます。通告に従い、3議題13項目について質問をさせていただきます。
本市における西尾市地域防災計画には、地域防災計画(地震・津波災害対策編)、地震防災強化計画、西尾市国土強靱化地域計画との関係などが明記されておりますが、政府の地震調査委員会では、令和4年1月1日現在で、南海トラフで今後40年以内にマグニチュード8から、マグニチュード9クラスの地震が発生する確率を90%程度に引き上げられました。南海トラフ地震防災対策推進計画には、地震防災上、緊急に整備すべき施設等の整備、南海トラフに伴い発生する津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助に関する事項や南海トラフ地震に係る防災訓練に係る事項、関係指定の行政機関や地方行政機関、地方公共団体、公共機関、その他の関係各所との連携協力を確保する事項、また南海トラフ地震に係る地震防災上、必要な教育及び広報に関するさまざまな事項が掲げられております。
本市における災害対応力の強化や、災害発生時における広域的かつ効果的な防災体制の確立は整っているのか、市民の生命、身体及び財産を守るために、いつ来るかもしれない大地震に備えておかなければなりません。そのような観点から、お尋ねしたいと考えます。
議題1 災害から命を守る準備と行動「地域防災」に対する取り組みについて、お伺いをいたします。
質問要旨(1)本市の地域防災計画における課題は何ですか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 危機管理局長。
◯危機管理局長(山本吉明) 西尾市地域防災計画は、市民の生命、身体及び財産を守るため、各防災機関がとるべき基本的事項等を定めているものでありまして、災害の予防・応急対策及び復旧に関し、連携して実施すべき事務や業務を定めた総合的な計画であります。そのため、社会情勢や地域特性に応じて毎年見直しを行いまして、災害対策基本法に基づきまして西尾市防災会議にて審議し、毎年決定をしております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 西尾市防災会議にて、社会情勢や地域特性に応じて毎年見直しをしているとのことに対しては、大変評価すべきことだと考えます。
再質問します。先ほどの答弁で、連携して実施すべき事務や業務を定めたと言われましたが、地域防災計画資料編に災害協定・覚書等のリストが掲載されておりますが、今年度、新たに連携できた実績はありますか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 危機管理局長。
◯危機管理局長(山本吉明) 今年度、新たに災害協定や覚書を締結した団体は、調整中を含めまして6団体であります。内訳としまして、協定種別ごとの件数といたしまして、施設の利用、避難所等の提供が2団体、物資等の供給が1団体、物資運搬車両の提供・避難者の移送等の団体が2団体、食品の衛生指導が1団体ございます。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) まさに、平時のときの備えこそ防災の要であります。災害協定について理解はできました。今後も、より一層強靱化されるよう願います。
さきに青山議員がただされたように自助、共助、公助に併せて、互いに近くで助け合う「ご近所」という言葉も使われてきました。地域防災の目的・目標として、防災訓練においては、自分たちのまちは自分たちで守るという地域ぐるみの防災対策の促進や市民の防災意識の高揚、防災行動力の向上や関係防災機関相互の協力体制の確立、住民や市内事業所の協力体制の確立を期待します。
2011年に発生した東日本大震災後に宮城県が検証した災害応急・復旧対策では、地域防災計画はほとんど役に立たず、災害後も継続する必要性の高い重要業務や目標復旧時間を、あらかじめ定めておくBCPの整備が重要だと示されました。災害後、自治体職員の多くは本来業務が手につかず、人員不足、インフラ混乱、情報錯綜に耐えたとありました。ましてや今は、またコロナ感染症という新しい問題もあります。そこで、本市における業務継続計画(BCP)についてお尋ねします。
質問要旨(2)本市の業務継続計画(BCP)のPDCAサイクルはどのようになっておりますか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 危機管理局長。
◯危機管理局長(山本吉明) 本市の業務継続計画につきましては、西尾市業務継続計画、各課別業務継続計画がございますが、この計画によりまして、西尾市業務継続計画(BCP)訓練を行っております。この訓練により改善すべき点を反映し、業務が停止しないように計画の見直しを行い、実用的な計画となるよう改善を図っております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) BCP訓練により、改善がなされているとのことであります。発災時、首長が県知事、もしくは防衛大臣に対し、災害派遣の要請をするよう求めることができます。いざというときに危機意識の高いリーダーシップをとり、情報収集こそが命運を分けると言っても過言ではありません。自治体の首長として、強いリーダーシップでこのBCPのPDCAサイクルを着実に実施し、さらにマネジメントされることを期待し、次の質問にまいります。
2016年に発生した震度7の熊本地震では、短期的な食料不足が生じました。地域防災として、災害時には自助の家庭内食料備蓄が最も重要であり、自助への意識を高めるために、行政による家庭備蓄の普及に向けた活動は不可欠であると考えます。
質問要旨(3)家庭での食料品備蓄の普及に向けた取組はどのようですか。また、市民への周知や情報発信する上での工夫はありますか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 危機管理局長。
◯危機管理局長(山本吉明) 家庭での食料品の備蓄の周知につきましては、救援物資が届くまでの時間がかかる場合があるため、ハザードマップ、ホームページ、広報などで水や食料品を1週間分備蓄してほしい旨を周知しております。
また、防災カレッジ、災害クッキング講座、出前講座など、市民に直接伝える機会にて具体的な備蓄方法などを周知しております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 1週間分備蓄の推進に向けた取組については、今後、さらなる啓発を期待します。食料品備蓄の普及に向けた取組について、再質問します。
災害クッキング講座において、食料品の備蓄に関する内容の講義などはありましたか。
◯議長(神谷雅章) 危機管理局長。
◯危機管理局長(山本吉明) 災害クッキング講座では、お勧めの食料品の備蓄方法としまして、ローリングストック法が紹介されました。備蓄食材を災害時だけ食べるものと捉えると保存したままになり、いざ必要となったときに賞味期限切れとなることも起こり得ます。非常食になり得るものを普段使いしながら食べたら、その分を買い足ししていくという方法になります。ぜひ市民の皆さんにも実践していただきたく、ホームページ、広報等で周知を行っております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) ローリングストック法の普及については、ほかにもSNS、LINEやツイッターなどの活用により、日常的な啓発により広く住民へ周知され、備蓄物資、また政府によるプッシュ型支援が間に合うまでの期間を乗り越えられるよう強く願います。地震や津波の危機管理というのは、住民が最も不安に思うところでもあります。やり出せばきりのない、まさに終わりのない闘いでもありますが、備えあれば憂いなしであります。
今後も引き続き、課題の解決に向けた取組やPDCAサイクルの徹底を期待します。
議題2にまいります。西尾城址周辺の活性化について、お伺いをします。
先日の市長の施政方針演説の中でも、利便性と快適性を求める基盤づくりの中で、本市の豊かな自然や歴史、文化の活用に触れておられますが、中心市街地活性化は重要なテーマであると考えます。都市計画マスタープランの中にも基本方針として、「歴史文化を継承する」と明記されており、文化財を活用した歴史保全を図り、地区の景観整備を行うこととしております。
今後の西尾城址の在り方について、お尋ねをします。
質問要旨(1)西尾城址に対する景観保護や町並み保存の具体的な考え方はどのようですか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 教育部長。
◯教育部長(齋藤武雄) 西尾城址につきましては、今年度末までに策定予定の西尾城跡保存活用計画に基づき、西尾城の価値を多くの人に分かりやすく伝えるように整備などを進めてまいります。具体的には、今も残る石垣や土塁などの保存を進め、西尾城が整備された江戸時代前期の景観を体感できるよう、天守台から本丸丑寅やぐらの見通しを遮る樹木の剪定や伐採をするとともに、現在は残っていない土塁ややぐら、門などを可能な範囲で復元していくことも検討してまいります。
城下町を堀で囲んだ総構えという独特の構造を持つ町並みにつきましては、解説板の設置などにより、江戸時代から残るゆかりの地名を保存していくなど、かつての姿を思い浮かべることのできるようにしてまいりたいと考えております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 数年前から、コロナ禍においての人の価値観や行動は大きく変わりました。新しい日常としての休日の過ごし方は、コロナ感染症対策のために密を避けながら近場で食事をしたり、自然の景色に癒しを求めたり、歴史文化に触れたり、マルシェではつかの間の人との交流を楽しんでいます。西尾駅から西尾歴史公園まで散策すると、中央通りなどの商店街は電線の地中化がなされておりますが、肝心の西尾歴史公園周辺は電柱が建ち並び、西尾城址との景色の調和が取れておりません。そこで、お尋ねをします。
質問要旨(2)観光振興や美しい町並みを形成するために、西尾市歴史公園周辺の電線の地中化を図りませんか。
◯議長(神谷雅章) 教育部長。
◯教育部長(齋藤武雄) 歴史公園周辺、とりわけ西尾城二之丸跡北側県道の電線の地中化は、美しい町並み形成に効果があるものと考えております。県道の電線地中化を進めるには県の協力が不可欠でありますので、今後の二之丸跡地内及び周辺の整備の状況を踏まえた上で、関係部局と調整してまいります。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 電線地中化のメリットとしては、景観形成のほか、観光振興や防災上のメリット、円滑な交通確保など、利点はさまざまあります。京都市では、国の無電柱化推進計画とともに、おおむね10年間で効率的かつ計画的に無電柱化の整備を進めています。1キロメートル当たり7億円から9億円の費用を要しますが、本市も無電柱化に取り組むことを願います。
質問要旨(3)にまいります。旧近衛邸は、摂家筆頭であった近衛邸の邸宅の一部を移築したものであります。この建物は、江戸時代後期に島津斉彬の姫が近衛忠房に嫁いだことが縁で、島津家によって建てられたものであります。摂家とは、藤原道長を祖とする5つの公家の中でも最上級の貴族であります。旧近衛邸の利用状況を調べてみますと、平成27年度は4万9,746人、平成28年度は4万6,266人、平成29年度では3万1,133人、平成30年度では2万7,864人、令和元年度では2万3,566人と、年間利用者数が減少していますが、この推移をどのように考えておられますか。また、利用者増加に向けて庭園の再整備を図りませんか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 旧近衛邸の、ここ数年の年間利用者数が減少している主な要因は、新型コロナウイルスの影響で、参加者の多い行事が中止となったことや臨時休館したことが、その主なものであると考えております。
また、利用者増加に向けて庭園を再整備する予定はありませんが、快適に利用してもらえるよう計画的に修繕や樹木の剪定を行うとともに、指定管理者が実施する自主事業など、さまざまなイベントを企画することで利用者の増加につなげていきたいと考えております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 再質問します。ある茶道に関するサイトには、旧近衛邸の庭園が無味乾燥との意見もありますが、この庭園のコンセプトはどのようかお伺いします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 旧近衛邸の庭園は、平成7年に京都から移築した際に整備した回遊式枯山水庭園で、移築前の庭園を再現したものではありません。城跡整備における発掘調査で発見された堀や丸馬出という戦国時代の城郭構造を白砂で表現しており、西尾城の歴史の古さを象徴する遺構として、来場者に紹介する意味合いがあります。
また、旧近衛邸と鍮石門との間には、「椿聴庵」と命名された庭園があり、そこにはさまざまな珍しい品種の「椿」約100本を植栽した庭園が整備されており、来場者が四季折々の景観を楽しめるようにしております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 個人的な思いでありますが、日本庭園ランキング18年連続日本一を取り続けている島根県安来市の足立美術館のように、日本庭園を生かした集客も一考に値するのではないかと思います。日本庭園の評価は世界的です。抹茶人気とともに、海外からも集客を期待できるところでもあります。どちらにせよ、西尾市は花と緑のまちで造園業も盛んであります。今後も、おもてなしへの趣向を凝らした維持管理に期待をいたします。
次の質問にまいります。10月16日の開催予定だったドラゴンキング☆ストリートが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために延期をされましたが、11月27日の土曜日に西尾市歴史公園で開催をされました。「城マルシェ」のコンセプトで、斬新な企画が満載でとても盛況でした。にしおスイーツ特命大使の高須 聡シェフと、ショコラと抹茶を楽しむイベントやジャズコンサート、イルミネーションなど、とてもワクワクするイベントでした。今年度の振り返りとしてお尋ねをします。
質問要旨(4)ドラゴンキング☆ストリートの効果と課題を、どのように考えますか。今後、さらに活性化に向けた取組を考えていますか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 令和2年度から開催しておりますドラゴンキング☆ストリート事業の効果といたしましては、リニューアルしました歴史公園への誘客と、新たな夜の観光スポットとしての周辺の商業施設のにぎわい向上が挙げられます。
本事業は、コロナ前には多くの外国人観光客が本市を訪れていただいていたことから、西尾駅から歴史公園へ向かう竜神通りを中心とした周辺の飲食店へ波及させるインバウンド効果を狙いとして企画したものであります。しかし、コロナ禍と重なり、外国人観光客の誘客が見込めないことや、新たな観光スポットとして知名度を上げていくことが今後の課題であると考えます。
今後、アフターコロナとなった際には、外国人観光客をターゲットとした昭和レトロなまち歩き観光など、地元商店街とも連携し活性化策に取り組んでいきたいと思います。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) アフターコロナを見据え、商店街の活性化や観光観点でのまちづくりを多面的に捉えるべきと考えます。
歴史公園会場では、手作り市やオーガニック食品、またキッチンカーやDJブースなどが数多く出店され、多くの方が楽しんでみえました。これらの取組を定期的に実施することで、歴史公園の集客につなげていきませんか、再質問します。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 旧近衛邸や芝生広場を活用した取組につきましては、指定管理者とともに、さらに利用者が増加するよう検討しているところであります。
中村議員ご指摘のとおり、マルシェやキッチンカーは、多くの方たちが気軽に楽しめるイベントであると考えております。例えば、歴史公園駐車場の有効活用の一環として、月替わりでキッチンカーを誘致するなど、コロナ禍でも来訪者に元気を取り戻してもらえるような取組について、指定管理者に提案をしてまいります。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 昨年は承久の乱から800年の節目の年ということで、吉良氏800年祭事業が至るところで開催をされました。鎌倉時代から戦国時代まで、西尾を治めた足利家の血を引く吉良氏があってこそ今の西尾があります。NHK大河ドラマでも、源頼朝の13人の御家人の中にも登場する安達盛長も、国宝である金蓮寺弥陀堂を建立しました。劇中、どう描かれるか楽しみなところであります。観光名所となるには、歴史的な背景やストーリー、コンセプトが肝心です。観光地としての土台は十分にあります。過去には、西尾城の天守閣を建設するため基金を積まれていましたが、最近、議論がなかなかされておりません。文化的・歴史的な観光地として天守閣が建設されれば、全国的にも注目される観光スポットになると考えます。そこで、お伺いします。
質問要旨(5)天守閣の建設及び城内整備の計画についての考えはどのようですか。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 天守閣の建設は、西尾城二之丸跡整備計画書において、今後30年以内に建設を目指すこととしております。また、天守の建設は寄附金によって賄う方針とされておりますので、まずは二之丸跡周辺の整備を進めることで、市民の西尾城天守建設に対する機運を高めていきたいと考えております。
西尾城内の整備計画につきましては、今年度策定されます西尾城跡保存活用計画により、二之丸の土塀や土塁の復元などについて、今後、西尾城跡総合整備検討委員会で協議・検討をしてまいります。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 30年以内の建設を目指すとのことでありますが、方向性を示すことは建設の機運を醸成することに重要であります。天守閣が先か、二之丸跡周辺整備が先かのことであります。おっしゃるとおり、その間、天守閣に向けた新たに機運を高めつつ、西尾市に対するシビックプライドの醸成に向けた取組を期待します。まずは、にぎわいのあるまちづくりを目指して継続的な整備を願います。
議題3 離島における新型コロナウイルス感染症対策について、お伺いします。
去る、2021年5月12日から20日間、愛知県では蔓延防止等重点措置から緊急事態宣言が発出されました。不要不急の行動、旅行の自粛の中、まるで離島に現実逃避するかのように佐久島へ訪れる人が大勢あったと島民の方から声を聞きました。離島というのは本土とは違い高齢化が進んでおり、診療所も週に3日ほどしか開いておらず、相当な心配をされたことと考えるのは容易であります。観光や渡船の黒字化も大事でありますが、島民や来島者の方々に対する安全・安心が最優先事項であり、そのような観点から、今後も続くであろう新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをします。
質問要旨(1)市営渡船乗船時の新型コロナウイルス感染症対策はどのようですか。また、佐久島しおさい学校への通勤・通学をされる教職員や児童・生徒への感染症対策は十分ですか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 市営渡船乗船時の新型コロナウイルス感染症対策につきましては、令和2年1月以降、各渡船場に利用者が自由に利用できる手指消毒用アルコールの配置、渡船場の従事者により自動扉や券売機、トイレのドアノブなどへの消毒液の塗布を実施しております。また、船舶におきましても、客室内への消毒液の塗布を行い、係留中は出入口やハッチを開放し、随時換気を行っております。また、加えて船の客室及び渡船場待合室に抗ウイルス・抗菌剤をコーティング施工し、抗菌効果を図っております。
一方、乗船客にはマスクの着用と静かな乗船のお願いをアナウンスしております。
コロナ禍で初めて緊急事態宣言が愛知県に発出されました令和2年の大型連休時には、感染拡大防止のため観光客の利用を抑えることを目的として、島民の足として最低限度のダイヤを確保した上で、令和2年5月2日から10日までの9日間、7便から4便に減じて運行をいたしました。
今後も、状況に応じて島民の意見を踏まえ、監督官庁であります中部運輸局に相談の上、対応してまいります。
◯議長(神谷雅章) 教育部長。
◯教育部長(齋藤武雄) 教育委員会関係分について、ご答弁申し上げます。
佐久島しおさい学校への通勤・通学の際の教職員や児童・生徒への感染症対策といたしましては、乗船前の健康カードの確認、手指消毒、マスクの着用の徹底をしております。また、乗船中は人と間隔を空けて乗ることや、乗船中の会話を控えるように取り組んでおります。
引き続き、安全な通勤・通学を行うことができるよう感染対策を徹底してまいります。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 緊急事態宣言発出時以外の乗船客への対応はどのようですか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 町内会と連携を図り、旅客の法定定員から減じた80名程度に乗船人数を制限して運航したり、臨時増発便を運行しないなど、感染拡大防止の観点から柔軟な対応を行っております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 減便をしても帰りの渡船時間は重なり、結果として混雑してしまうのではないでしょうか。また、島民の方々の往来に対しての支障がないよう配慮も必要であります。夕方のダイヤを改正することも検討すべきではないかと考えます。
今後も変異し続けるコロナウイルスに対して、細心の注意を払うべきと考えますが、質問要旨(2)島民や来島者に対するコロナ感染症拡大防止のためのガイドラインはありますか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 島民や来島者に対する本市独自のガイドラインはございません。代わりに、政府の定める新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の決定を踏まえ、電車やバス、タクシーなどと同様に旅客船の業界団体が、業種別の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを定めており、渡船などの傘下の事業者が規模など個々の事業形態を考慮し、新型コロナウイルスの感染予防に取り組むとともに、社会基盤としての役割を継続的に果たすものとなっております。
なお、このガイドラインは島民や来島者を含む乗客に対するものだけでなく、旅客船内における対策や船員などの従事者に対する感染防止対策も含んだものとなっております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 再質問します。公共交通として業種別の新型コロナウイルス感染症予防対策ガイドラインはあるとのことですが、旅客船内における対策や船員などの従業員などに対する感染防止対策として、船員が感染者・濃厚接触者となった場合の渡航体制はどのようですか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 交流共創部長。
◯交流共創部長(内藤貴久) 一般職員と異なり、旅客船の運航は資格が必要であり、市の職員であっても誰でもできるものではございません。そのため、今般のコロナ禍に際し、複数の船員が同時に感染者や濃厚接触者となり定期運航の継続が困難となる場合を想定して、監督官庁であります中部運輸局に相談し、海上タクシーや名鉄海上観光船に代行運航をお願いできるように依頼しており、定期運航に支障のないように対応をしております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) まさに事業継続計画(BCP)が肝要であります。島と本土をつなぐ動脈として、何が起きても支障がないよう万全の体制を整えるようお願いします。
質問要旨(3)島民が、新型コロナウイルス感染症の陽性、もしくは濃厚接触者となった場合、自宅療養者に対する配食サービスや買い物代行支援はどのようですか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。
◯健康福祉部次長(村松清志) 佐久島島民に対する買い物代行支援につきましては、離島という特殊性はありますが、ほかの地域と同様の支援を実施いたします。
なお、無料の配食サービスにつきましては県の事業となりますので、市としてお答えすることはできませんが、濃厚接触者につきましては、もともと対象外となっております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 本土と同様の買い物代行サービスが提供されるとのことで安堵しました。ただし、重症化リスクのある高齢者が多くみえますので、積極的にホテル療養などが勧奨され、万が一に備えるようお願いします。
続いて、質問要旨(4)にまいります。佐久島診療所における新型コロナウイルス感染症対策はどのようですか、お尋ねします。
◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。
◯健康福祉部次長(村松清志) 佐久島診療所内における新型コロナウイルス感染症対策でございますが、基本ルールとして、発熱のある場合は、事前に診療所に電話連絡をしていただくことになっております。発熱患者は、療養所の隣の発熱外来にて診察を行い、必要に応じてPCR検査の検体採取を行います。検査の結果が陽性の場合は、保健所の指示に従い対応していただくこととなります。
なお、発熱患者以外については、診療所玄関で呼び鈴を押し、職員が体温計測後、手指消毒をしてから診療所内に入っていただくこととなっております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 再質問します。佐久島診療所の診療時間は月曜日の午前中と水曜日の9時から5時、金曜日の9時から5時となっておりますが、診療時間外の緊急時の対応はどのようか、お伺いします。
◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。
◯健康福祉部次長(村松清志) 基本的には119番通報をしていただくこととなりますが、島民の方は、緊急時には医師と携帯電話で連絡を取ることができるというような体制も整えております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 基本的には119番通報でよいとのことでありますが、軽い症状で診療時間外に症状が出ても、病院に行くかどうかの現場の判断は難しいと考えます。緊急時には医師と携帯で連絡が取れることができる体制のみならず、愛知県が運営する僻地の地域医療プログラムを活用したり、酸素飽和濃度などを測定できるような体制があれは、さらに安心できるのではないかと考えます。
質問要旨(5)昼夜の別なく緊急搬送において、新型コロナウイルス感染症の影響で搬送不能の状況は考えられますか、お尋ねをします。
◯議長(神谷雅章) 消防署長。
◯消防署長(市石正樹) 観光客を含め、佐久島における新型コロナウイルス感染者は、海上タクシーまたは海上保安署の巡視艇に感染防止対策を施し、搬送する体制を整えております。海路であるため荒天により搬送不能となる状況は考えられますが、新型コロナウイルス感染症の影響で搬送不能となることはありません。また、昨年度からは、佐久島分遣所に消防職員1名が夜間も常駐し、消防団とともに昼夜を問わず、救急をはじめとする各種災害に対応しております。
◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。
◯7番(中村直行) 新型コロナウイルス感染症の影響で搬送不能となることはなく、消防職員が夜間も常駐と、大変心強いご答弁をいただきました。離島におけるコロナウイルス感染症対策は万全に見えますが、いまだどのようになるか予測できない状況であります。細心の注意を払いつつ、不測の事態が起きても柔軟かつ臨機応変な対応で、島民や来島者から安心で信頼される運営を切に願います。市長におかれましては、新しい日常の中で、今後も住民が安心して暮らしていけるよう、施政方針演説で掲げられたスローガン「人が輝き、まちが躍動する、共生・共創のまちづくり」に向け邁進してくださるようご期待し、質問を終わります。ありがとうございました。
〔7番 中村直行 降壇〕