令和4年6月定例会 6月7日

◯7番(中村直行) 新政令和の中村直行でございます。通告に従い2議題、13項目について質問させていただきます。
 議題1 障害者雇用の促進について、お伺いします。
 障害者雇用とは、障害者基本法の基本理念で定められているとおり、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会を実現するための取組です。障害者が普通に暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を実現するためには、職業を持ち、自立を進めることが重要です。そして、雇用分野に関する法律である障害者雇用促進法では、障害者の職業の安定を図るため、民間企業や国、地方公共団体などに対し、常時雇用している労働者の一定割合に相当する人数以上、障害者の雇用を義務づけています。このように企業にとって、障害者雇用は法的義務として社会的責任を果たすための施策ですが、市として、これらの障害者の雇用の状況をどのように認識されているか伺います。
 質問要旨(1)現在の本市役所及び市内の民間企業における障害者の法定雇用率はどのようですか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 現在の法定雇用率は、地方公共団体が2.6%、民間企業が2.3%と定められております。実際の雇用率は、令和3年6月1日現在で、この西尾市役所が2.6%、ハローワーク西尾管内の民間企業が1.84%となっておりまして、民間企業については未達成という状況になっております。
 以上です。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 本市役所は、民間企業より高い雇用率が達成されており、喜ばしい限りですが、民間企業の障害者雇用率が1.84%で未達成だと認識しました。法定雇用率を下回っている事業所から納付金を徴収し、それを財源に法定雇用率を上回っている事業所に対して、各種助成金を支給する障害者雇用納付金制度もございますが、お金を払えばそれでいいということではなく、共生社会の実現のため、障害者雇用の水準を高めていく必要があると考えます。
 再質問します。企業の法定雇用率が未達成の原因を市はどのようにお考えになりますか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 未達成の原因については、はっきりとは分かりませんが、雇用率は企業の本社が所在するハローワークの所管ごとに集約されますので、西尾市に本社がない企業に就職しても雇用率に反映されないこと、全体的に市内よりも市外で就労している方が多いこと、また中小企業が多く、採用の余裕がないことなどが考えられます。
 障害者雇用率は、雇用する側に法令の遵守を促すための指標となりますが、必ずしも障害者の就労の実態と一致するとは言えませんので、西尾市が取り立てて働いている障害者が少ないと言うほどのことではないと考えております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスには、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援の4種類のサービスがあります。令和2年度の平均工賃(賃金)月額の実績を厚生労働省の資料により調べますと、就労継続支援B型事業所では月額1万5,776円、時間額にして222円、就労継続支援A型事業所では月額7万9,625円、時間額にして899円となっておりました。現状では、一月働いても1万6,000円から7万9,000円ほどしか稼げません。就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者は毎年増加しておりますが、障害者の自立と社会参加の促進や、地方公共団体相互間の情報共有化を図るための障害者施策の取組についてお伺いします。
 質問要旨(2)障害者の就労支援として、本市はどのような方針と取組をしていますか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 障害者の就労支援につきましては、市としても、障害者の自立した生活及び社会参加を促し、共生社会を実現するためにも、雇用機会の確保・拡大を図ることが必要であると考えております。
 障害者の一般就労を進めるため、ハローワークと共同で市役所にて障害者就職面接会を実施しており、特に法定雇用率を達成していない市内企業を中心に働きかけ、障害者への理解を深めていただくとともに、新規採用の機会の確保に努めております。
 また、一般就労が困難な障害者に対しては、障害者総合支援法に基づき、福祉的就労ともいえる就労継続支援により、生産活動の機会の提供や就労に必要な知識、能力の向上のために必要な訓練を行っており、また一般就労に結びつける就労移行支援や就職後の安定を図る就労定着支援なども行っております。先ほど、議員がおっしゃられたとおりです。それとともに、地域自立支援協議会に就労支援部会を設け、関係機関や事業所の連携のもとで、就労・雇用の向上を図るためのさまざまな課題に取り組んでおります。
 以上です。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 一般就労が最も望ましいと考えますが、福祉的就労にも積極的に取り組まれることを期待します。
 コロナ禍により、就労が難しい状況ではありますが、また障害の度合いは皆さん違います。関係機関や事業所の連携はもとより、地域共生の実践として農福連携も有効な手段と考えます。
 再質問します。障害者の就労の確保のために農福連携が推奨されているが、本市の状況はどのようですかお尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 農福連携の状況としましては、市内の福祉事業所ではランの生産発売をしているところ、農家から畑を借用して野菜を栽培しているところ、給食の残菜を回収して堆肥化しているところ、過去には農協から出荷資材の組み立てを請け負ったところなどがあります。それぞれの事業所が工夫して、広い意味で農業と関わりを持ちながら就労の場の確保に取り組んでおります。
 また、県が主体となって、農業者や福祉事業者などを対象としたセミナーを開催し、さまざまな事例の紹介や活用できる制度の案内などを行っていることや、農業大学と連携して、福祉関係職員向けに農業技術を習得する研修会も企画されております。それとともに、今年度から、西三河地域農福連携ネットワークが設置され、県、市町、農協、農業経営者、就労支援事業所など、関係者の情報交換や農福連携の支援などに取り組むことになっており、本市からも福祉課、農水振興課の職員が参加して課題などを学んでいきたいと考えております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 農福連携は、国の施策にもあります。福祉的就労の観点からも、積極的に推進されることを期待します。
 平成25年4月から、国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律(障害者優先調達推進法)が施行され、障害者が就労する施設の仕事を確保し、経営基盤を強化するために国や地方公共団体の機関が、物品やサービスを優先的に調達することを進めることとしています。そこで、本市の取組はどのようかお尋ねします。
 質問要旨(3)障害者就労支援施設へ仕事を確保し、その経営基盤を強化するために封入・封かん業務を委託しませんか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 封入・封かん業務につきましては、昨年度の住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業において、対象者への通知約9,000通の作業を、就労支援事業所に委託しました。現状で、定例的に業務を確保するのは難しいですが、今後も機会を捉えて事業所と調整をしていきたいと考えております。
 また、市では、障害者就労支援施設等からの物品等の調達方針を定め、事業所のプレゼンテーションも行うなど、提供できる物品、役務に関する情報の全庁的な共有を図っております。こうした取組により、封入・封かんに限らず物品等を調達する際には、障害者関係事業所の活用を働きかけ、機会拡大の推進に努めていきたいと考えております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 封入・封かん業務を委託されているとのことですが、障害者就労施設に対する発注を促進するために、障害者優先調達推進法の対象となる施設等に対して調査を行い、市民、企業の方も活用しやすいようにすべきと考えます。障害者関係事業所への活用の働きかけや機会拡大の推進に努めることをご期待し、再質問します。
 近隣市町の状況はどのようですか。また、点字用封筒の取り組みは、その後どのようですかお尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 近隣市町の具体的な状況は把握しておりませんが、それぞれの市町が障害者就労施設等からの調達方針を定めるとともに、実績の総額を公表しております。本市の実績も、それらと比較して劣るものではなく、今後も近隣市町の状況を参考にしつつ、調達実績の拡大に努めてまいります。
 また、点字用封筒については、先般の議員からのご意見を参考にさせていただき、できるところからではありますか導入に取り組んでおります。具体的には、臨時特別給付金で「西尾市からのお知らせ」と記載した点字シールを点訳サークルに作っていただき、視覚障害者宛ての封筒に貼り付けました。その後、視覚障害者支援を行う社会福祉法人の事業所に点字シールの作製を発注し、福祉課でストックしておりますので、今後、手当の通知などに利用するとともに、全庁的にも活用を呼びかけていきたいと考えております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 点字封筒につきましては、市民の方から多くの喜びの声を聞いております。他自治体を参考に、少しでも就労支援につながるような取組や今後もできるところからという取組を期待し、次の質問にまいります。
 質問要旨(4)本市がハローワークと連携したり、民間の人材センターを活用したりするなど、障害の度合いに応じたきめ細かい職業相談・職業紹介で積極的に雇用を促進しないか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 障害者に対する職業相談・職業紹介は、第一義的にはハローワークが対応するものですが、市としても、ハローワークによる障害者雇用の啓発活動等に協力しており、今後、企業訪問に同行することも予定をしております。また、ハローワークと障害者就労支援事業所との定期的な連絡会の開催や、障害者の就職相談の場に就労支援事業所が同席し、本人の不安の解消や福祉就労も含めて、本人に適した就労の仕方などを相談する取組も行われています。
 そのほか、ハローワークと就労支援部会の協力のもと企業を訪問して、どのような業務が障害者に適しているか助言などを行い、企業が障害者雇用に取り組みやすくなるよう働きかけをしております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) ハローワークや社会福祉協議会と民間企業との連携を図り、就労支援事業所や障害者就労支援サイトなども活用し、1人でも多くの就労が促進されることを期待します。
 再質問します。蒲郡市の「社会福祉法人楽笑」は、共生型の多世代交流拠点を設けて、障害者が子どもや高齢者を含む地域の人たちと交流しながら、共に働くことのできる活動に取り組んでおられます。いわば、地域密着のコミュニティ型就労支援と呼べるものですが、西尾市もそのような取組をしていかないかお尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) ご提案の内容は、共生社会の中で障害者が地域の一員として働き、障害者自身も地域を支える1人として活躍していく、まちづくりの理想の形を示していると言えます。それは行政主体ではなく、さまざまな先進的な取組を行って豊富なノウハウを蓄積してきた民間法人の存在が大きな力になっているものと思います。
 本市として、一足飛びに同じようなことができるわけではありませんが、将来の目指すべき姿として目標にしたいと思います。
 また、本市においても、就労を含む障害者の支援は、さまざまな事業所が意欲的に取り組んでおり、事業所と連携して福祉マルシェやハートネットフェスタを開催するなど、地域の理解や交流の促進を図り、障害者が働きやすい環境づくりに努めております。また、自立支援協議会において、就労支援などの強化に向けて相談支援の在り方について協議をしております。さらに、安定した就労が困難な障害者でも、緩やかに参加できる日中活動の場として地域活動支援センターがあり、障害者の孤立化を防ぐとともに社会参加の促進を図っております。このセンターについても、現在、新たに旧幡豆郡地域への設置を検討しているところです。
 市としまして、関係者や事業所との連携を一層深めながら、これらの取組を着実に進めていきたいと考えております。
 以上です。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 市役所内の福祉マルシェなど、本市は共生社会の実現に向けて先進的に取り組んでいると思います。障害をお持ちの方への一般就労や就労支援、生活介護、療育の支援を行政、病院、介護施設、見守りサービス、民間企業、そして地域が一体となり、共助の精神で共生社会の実現に向けて積極的に取り組んでいかれることを期待します。
 障害の子を持つ親御さんたちは、皆、お子さまの身を案じておられます。特別支援学校を卒業された後、果たしてどのように自立をさせていくべきなのか。そこで、次の質問にまいります。
 質問要旨(5)にしお特別支援学校を卒業した後の進路について、具体的な支援策をどのようにお考えになりますか。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) にしお特別支援学校の卒業生の進路としては、一般就労のほか、就労継続支援、生活介護等の障害福祉サービスを利用されるケースも多いものと想定をしております。市としては、毎年、卒業予定者の連絡希望の情報を提供していただき、必要なアセスメントなどを学校と調整するとともに、相談支援事業所と連携しながら就労支援などの適切なサービスにつなげていくよう努めております。
 なお、昨年度は、にしお特別支援学校の開校に当たり、企業向け説明会をハローワークと共同で開催し、市内企業に対して学校の概要を知っていただくとともに、一般就労に向けた実習、職場体験についての協力をお願いしております。
 今後も、特別支援学校、市内企業、ハローワーク、相談支援事業所と連携しながら、卒業生の進路支援に取り組んでいきたいと思います。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 先日、有志議員でにしお特別支援学校を視察した際に神本校長先生も、西尾市の就労支援に対して強く協力を求めていらっしゃいました。来春には、高校3年生の生徒は自立に向けて新しい場所を探さなければなりません。ご承知のとおり、県下初の知的障害と肢体不自由の両方の児童が通う新しいタイプの学校です。大村愛知県知事も、設置の後押しは保護者や関係者の強い願いであると申されました。この期待に応えるよう、本市も求職者に対し、就業と生活に関する相談をワンストップで実施されるよう取組、誰一人置き去りにしない、子どもたちが夢を持ち、生き生きと輝ける社会となるよう期待をしております。
 次の質問にまいります。東京都では、中小企業を支援するなど独自の取組として、中小企業に対して障害者雇用の拡大と職場定着のための促進を図るために、障害者を雇用した企業に対して助成金を支払うというものがあります。また、大阪府では障害者が生き生きと働き、自立した生活を送ることができる地域社会の実現に向け、大阪府障害者の雇用の促進等と就労の支援に関する条例(ハートフル条例)を制定しております。府と関係のある事業主に対して、法定雇用率の達成に向けた取組を誘導、支援しております。法定雇用率の未達成企業は公表するなどの措置を行うこともある一方、障害者雇用や就労支援に積極的な企業を表彰しています。本市の考えを伺います。
 質問要旨(6)「障害者の雇用の促進と就労の支援に関する条例」を制定し、人に優しいまちづくりを目指しませんか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) ご提案の条例につきましては、全国的にはおっしゃられたように、主に県や大都市圏などの自治体で制定が見受けられますが、まだまだ数少ない状況と思われます。この条例は、あくまで障害者雇用に向けた理念的な部分が大きいと思われますが、既に実効的な法整備として、議員が着目されたように障害者雇用促進法に基づき雇用率が定められ、義務化されていること及び障害者総合支援法に基づき、各種の就労支援が行われているところです。また、企業活動が広域にわたり、さまざまな地域に本社や支社が展開されている状況においては、地方の自治体単独で条例を制定しても、余り効果が望めないのではないかなと思っております。
 本市としましては、まずは、これまでご答弁したとおり、関係機関や地域の連携を図りながら、さまざまな取組を地道に展開していき、その効果を上げられるよう努めていきたいと考えております。条例制定については、各地の動向を注視していきたいと思っております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 障害者だけでなく、ひとり親、生活困窮者の就職困難者に対する就労支援を進め、障害者だけでなく働く意思と能力がありながら、さまざまな事情による働くことができない状態にある人たちの働く機会が十分に提供されているとは言えない状況を改善するためにも、ひとり親、生活困窮者など、障害者を含む就職困難者に働く機会を提供する事業主の取組を社会全体で促進することに併せて、雇用の定着をさらに進めていくべきと考えます。
 SDGsの17の大きな目標の中にも、1の貧困をなくそう、2の飢餓をゼロに、4の質の高い教育をみんなに、8の働きがいも経済成長も、10の人や国の不平等をなくそうと、障害者雇用にも当てはまる目標を掲げております。本市も、SDGsに取り組んでいますので、まずは手を挙げ、声を出すことから努めていくべきではないでしょうか。
 今回の質問は、身障協会や見守りサービスの事業をされる方々の切なる声を代弁いたしました。繰り返しとなりますが、一般就労並びに福祉的就労に対して、スピード感を持って取り組まれることを願いまして、次の議題にまいります。
 議題2 新型コロナウイルス感染症対策の現況と予防接種健康被害救済制度にまいります。
 新型コロナウイルス感染症が日本で確認されてから2年半が経過し、ワクチン接種が始まって1年半になろうとしております。昨年の今頃は、接種がしたくてもできない状況でありましたが、今年は接種ができてもしない状況となっております。国、県ともに感染拡大や重症化を防ぐためワクチン接種を推奨していますが、多くの市民、特に子どもを中心に副反応を懸念されており、接種率が上がらない状況にあります。市民が安心して接種できるよう、市民が心配されている副反応の救済措置についてお伺いします。
 質問要旨(1)現在の市内における新型コロナウイルス感染者は何人ですか。また、後遺症に悩む方を支援し、医療機関へ適切につなぐために、過去に罹患された住民に対してアンケート調査を実施しないか、お伺いします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 本市における新型コロナウイルス感染者は、令和2年4月に報告があった初発感染者から令和4年5月23日までの間の累計で1万3,021人となっております。
 なお、感染者やワクチン接種に関する統計データは、毎月月初めに市ホームページで公表をしております。
 後遺症に悩む方の支援につきましては、感染者の情報は疫学調査を実施する愛知県西尾保健所が保有しており、本市では後遺症に悩む方々の実態を把握することはできませんので、アンケート調査の実施も困難であります。感染後の後遺症に悩む方たちのために、愛知県が相談窓口を設置しておりますので、市ホームページや集団接種会場で相談窓口のチラシを配布し周知を図っております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 西尾市民の約7.6%が罹患したこととなります。アンケート調査が困難とのことでありますが、全国で感染者が最も多い東京都は、新型コロナに感染した後、後遺症専用の窓口に相談し、去年5月から今年1月にかけての医療機関を受診した人など、230人の症状を分析しました。この中で、後遺症の症状を複数回答で聞いたところ、次のようになりました。最も多かったのが倦怠感で93人、次いで息切れが44人、頭痛が38人、嗅覚障害が37人などとなっていて、65%が2つ以上の症状を訴えました。
 一方、後遺症の発症時期は、全体の54%が新型コロナの発症から2週間未満、2週間以上が46%で、半数近くがコロナから回復後に後遺症の症状が出ています。また、症状がどれだけの期間続くかについて確認が可能な125人を分析したところ、3カ月以上6カ月未満が25人、6カ月以上1年未満が6人、1年以上が1人と、後遺症が長く続く人も目立つ結果であります。本市においても、一定数の割合で該当される方があると考えられます。後遺症に悩まれる方々への寄り添ったアフターフォローを願いたいと思います。
 質問要旨(2)本市における現在の接種状況はどのようですか。また、4回目接種に向けた取組はどのようですか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 5月27日時点でお答えをいたします。
 12歳以上の1回目の接種率は87.4%、2回目は87.1%、3回目は58.5%となっております。
 なお、65歳以上では、1回目が94.2%、2回目が94.1%、3回目が88.9%となっており、接種率は高い傾向にあります。また、5歳から11歳の小児接種では、1回目が7.8%、2回目が5.9%となっております。4回目接種は、3回目の接種から5カ月以上経過している60歳以上の方と、18歳から59歳までの基礎疾患のある方が接種対象となります。60歳以上の対象者につきましては、6月から順次接種券を発送いたします。また、18歳から59歳までの方には、3回目接種者全員に案内文を送付し、申請により接種券を発送いたします。接種場所につきましては、市内の56医療機関と市外の登録医療機関及び集団接種会場であります。集団接種会場につきましては、駅前のコンベンションホールを考えております。接種開始時期は、医療機関では6月から、集団接種は7月から予定をしております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。接種率は高い傾向にあるとのことですが、年代別の接種率につきましては、先般、松井議員が質問されましたので割愛しますが、答弁では若い世代の接種率が低いとのことでした。医療従事者に対する4回目接種に対する考えはどのようか。また、全国各地でモデルナ製ワクチンの廃棄のニュースをお聞きしますが、本市の状況はどのようかお尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 医療従事者に対する4回目の接種でありますけれども、初回接種や3回目の追加接種のときのように優先接種の考え方はありません。60歳以上の方や、18歳から59歳までの基礎疾患などがある方であれば接種が可能となります。
 また、モデルナ社製のワクチンの廃棄の状況につきましては、現時点で廃棄したものはございません。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 続きまして、予防接種健康被害救済制度についてお伺いします。
 健康被害救済制度とは、予防接種の副反応による健康被害は極めてまれですが、不可避的に生ずるものですので、接種に係る過失の有無に関わらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものです。予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により給付が行われます。接種が原因で死亡したと認められた場合、予防接種法に基づき、遺族に4,420万円と葬祭料約20万円が支払われる。障害が残ると年金があり、医療費の自己負担分の給付もありますが、質問要旨(3)本市における予防接種健康被害救済制度の申請状況はどのようですか。また、その対応はどのようですか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 予防接種健康被害救済制度の申請状況につきましては、令和3年度中に5件の申請を受け付け、予防接種健康被害調査委員会を3回開催しております。本市の委員会の役割は、健康被害の案件を国に進達するに当たり、国が開催する疾病・障害認定審査会が接種後の健康被害の状態と接種の因果関係を判断するために必要な資料がそろっているかを検討することで、市の委員会において、健康被害と因果関係の有無について審議をするものではございません。審査会開催後、愛知県を通じて厚生労働省に4件を進達しております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。3回行われた予防接種健康被害調査委員会の構成メンバーはどのようか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 委員は、西尾市予防接種健康被害調査委員会規則で、保健医療の知識と経験を有する者と規定されていることから、西尾市医師会の会長をはじめとする医師3名、西尾保健所長、保健所長は医師の資格を持っている方でありますが、それと西尾市民病院の院長、近藤副市長及び健康福祉部長の7名で構成をされております。また、委員会の事務局は保健師が担っております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 心配なのは、ワクチン接種後の副反応です。以前、私が厚生部会で副反応について質疑した際、血管迷走神経反射が数件ありましたが、ワクチン接種が進んだ現在の状況をお尋ねします。
 質問要旨(4)予防接種を受けたことにより障害が残ってしまったり、亡くなられたりするなど、健康被害の生じた報告はありましたか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 予防接種健康被害救済制度をご案内し、その結果、厚生労働省に進達した方は、先ほど申し上げたとおり4件ございます。内訳は、多発性脳梗塞の発症が1件、接種した上肢の腫れの継続が1件、死亡が2件となっております。
 なお、接種と健康被害の因果関係の認定結果は、厚生労働省から現時点で届いておりません。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。多発性脳梗塞が1件、上肢の腫れが1件、死亡が2件とお聞きし、驚愕しました。因果関係を証明することは非常に難しいとお聞きしますが、4件もの重大な報告に対して専門家にヒアリング、調査研究する等の対応が必要だと考えます。市独自で調査する考えはないか、お伺いします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 委員会の任務につきましては、昭和52年3月7日に、当時の厚生省公衆衛生局長通知で規定をされております。
 通知内容は、当該事例の疾病の状況及び診療内容に関する資料収集、必要と考えられる場合の特殊検査または剖検の実施についての助言などを行うこととされております。また、委員会には、新型コロナワクチンの作用機序などの専門性の高い詳細な資料はありません。
 これらの理由により、調査研究などについて対応することはできないと考えております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) ワクチン接種が進むにつれ、国内の感染状況は落ち着いてきました。だからといって、遺族らを置き去りにしていいはずがありません。対応度を改めるべきか、給付は申請主義、医師に書類を書いてもらい申請する、だが給付が認められるかどうかは分からない、ハードルが高いとの声を聞きます。他人にコロナをうつさないという思いで打つ人が多い、亡くなった人は社会防衛の犠牲とも言えます。因果関係を厳密に問わずに救済する考えは成り立ち得る、仕事を休んだときの補償や、ほかのワクチンとの整合性も考える必要はないのでしょうか。そのような観点から質問します。
 質問要旨(5)副反応とワクチン接種の因果関係を証明することが難しいとの声を聞くが、国や県に申請する際に、本市でも調査委員会の意見書などを添付し、認定されやすくなるよう後押ししませんか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 市が開催する予防接種健康被害調査委員会は、市が申請を受け付けた事例について因果関係を調査し、疾病状況及び診療内容に関する資料の収集や必要と考えられる場合の特殊検査などの実施を検討するものです。
 国の疾病・障害認定審査会が因果関係の有無を判断するために必要な資料を整えることが、調査委員会の役割とされております。市は、因果関係の有無について意見を述べる立場にはありませんので、今回、議員がおっしゃられたような「認定されやすくなるような後押し」をすることはできないということになっております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。国が、令和2年12月から令和3年1月まで実施された、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種についてのパブリックコメントにも、今回のワクチンの接種により生じた健康被害については、ほかの予防接種と負うべき補償を国が負担する必要はない。同様に、予防接種法に基づき、市町村により健康被害救済が行われることになっております。私は、本市も意見を述べる立場にあるのではと考えます。意見を添付する考えがあるかどうか、再度、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 調査委員会は、ワクチン接種の実施主体である市長の諮問を受けて開催するため、委員会の結果を答申として市長に提出いたしますが、先ほどの答弁でご紹介しました旧厚生省の通知によれば、国が定める自治体における健康被害調査委員会には、ワクチン接種と接種後の状態の因果関係を審議する規定はないため、意見書を添付をするといった根拠がありません。
 したがいまして、厚生労働省疾病・障害対策審査会における審議が円滑に行われるように、収集した資料の妥当性、また必要な資料が欠けている場合は、申請者に追加資料の提供を求めるなど、慎重かつ丁寧に審査を行っております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 追加資料で不備がないように円滑にというところはよく分かりましたが、私が市民の方から受けた相談では、医師はワクチン接種後の副反応の原因が新型コロナワクチンによるものかどうか、エビデンスがないため診断書を作成できず申請できないと、途方に暮れておられました。市内にはほかにも、実際にそのように悩んでいる方がみえるということを認識するべきと考えます。
 愛知県では接種開始当初から、新型コロナウイルス感染症のまん延防止の切り札であるワクチン接種を強く推奨していることから、1人でも多くの方に安心してワクチン接種を受けていただけるよう、接種後に副反応を発症した方に対して、医療機関で治療を受けた際の医療費の経済的負担の軽減を図るため、県独自の新型コロナワクチン副反応等見舞金を支給する制度がありますが、質問要旨(6)本市の「新型コロナウイルス副反応等見舞金」の申請状況はどのようですか、お尋ねします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) 愛知県独自の新型コロナウイルス副反応等見舞金は、国の予防接種健康被害救済制度の適用を受けるために、市が国に進達をした方が支給対象となるものであります。国に進達して認められなかった場合でも、健康被害により要した医療費の2分の1相当額を愛知県が支給するもので、愛知県以外の都道府県で、この制度と同等または類似した制度を設けている都道府県はないと聞いております。
 新型コロナウイルス副反応等見舞金の申請状況は、5月24日現在で、県全体では105件、西尾市では1件です。この見舞金制度が設けられた後、国の救済制度を申請した4名に対し、県が副反応見舞金に関する通知及び申請書を送付したところ、申請が1名あったということを県に確認しております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 予防接種健康被害救済制度の申請が4件しかない中での1件申請とのことで、こちらも、とてもハードルが高い印象を持ちます。救済制度があっても、申請すらできないのなら意味がありません。当局としても、ぜひ取り組んでいただくことを期待します。
 名古屋市の河村たかし市長は、今年3月に、看護師による名古屋市のワクチン副反応相談窓口を開設されました。この窓口は、新型コロナワクチン接種後の長期にわたる体調不良について、看護師が相談に応じるもので、名古屋市によりますと、5月20日までに合わせて944件の相談が寄せられたとのことです。名古屋市内が対象ということは分かっているけれども、県外から相談があるとのことです。相談内容としては、関節の痛みやしびれ、頭痛などがおよそ6割、発熱や倦怠感などがおよそ3割を占めているとのことです。名古屋市は、当初、電話回線を2回線で対応していましたが、相談が相次いだことを受け、4月11日から5回線に増やしました。それほど、ワクチンの副反応に苦しんでいる方が大勢みえるのではないかとお尋ねします。
 質問要旨(7)本市でも、新型コロナワクチンの長期的な副反応相談窓口を設置し、副反応に悩んでいる方を支援しませんか、お伺いします。

◯議長(神谷雅章) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(簗瀬貴央) ワクチンの副反応に関します相談窓口につきましては、愛知県が設けております。専属の看護師などが、夜間・休日を問わず相談を受け付けております。副反応に関する相談は、身体のこと以外に心の問題にも波及し、専門性の高い内容が多いことから、本市においては独自で相談窓口を設けることは考えておりません。しかしながら、相談窓口を広く周知することは必要でありますので、集団接種会場にて配布するチラシや市ホームページで県の相談窓口を周知しております。

◯議長(神谷雅章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 新型コロナウイルス感染症は、感染後の後遺症やワクチン接種による副反応の窓口が違い、非常に分かりにくいとの声を聞きます。また、救済も難しい、たとえ入り口が国の施策であっても、出口に不安があると接種率が上がりません。
 今後も、住民が安心してワクチン接種をしていけるよう、また万が一にも副反応で悩まれる市民があれば、柔軟かつ迅速な対応で負担の軽減に取り組むことをご期待し、私の質問を終わります。ありがとうございました。