令和5年3月定例会 2月28日

◯7番(中村直行) 新政令和の中村直行でございます。2日目最初の一般質問をさせていただきます。通告に従い、2議題11項目について、本市のお考えをお尋ねいたします。
 昨日、質問された松井議員と一部重なるところもありますが、違う観点からの質問となりますので、ご了承ください。
 議題1 安心して住み続けられるまちづくりについて、お伺いいたします。
 令和3年度の住民アンケート調査では、居住意向として「いつまでも住み続けたい」が42.6%、「当分住み続けたい」が37.0%と、約8割の回答でありました。また、将来の方向性については、「安全で安心して暮らせるまち」が45.4%、次いで「住環境がよく暮らしやすい快適なまち」が41.0%でありました。ウクライナ危機やコロナ禍による物価高騰により影響を受けて、1月消費者物価指数は去年同月比4.2%上昇水準となりました。4.2%の上昇率は、第2次オイルショックの影響が続いていた1981年9月以来、41年4カ月ぶりの水準であります。主な要因は、食料品の相次ぐ値上げで食用油が31.7%、国産の豚肉と牛肉が10%、卵が7.8%上昇しました。エネルギーを見ると、ガス代が24.3%、電気代が20.2%の上昇率であります。全てが異様に上がっており、家計は苦境となっています。今こそ、住民の皆様の生活や事業者の皆様を支援することが最重要課題であり、また本市にずっと住み続けられる希望となります。そのような観点から、安心して住み続けられるまちづくりについて、本市の考えをお伺いしてまいります。
 第8次総合計画の施策後には、農水産業地域ブランドに関して、新技術導入により生産性が向上した稼げる農業のあるまちについて掲げられています。魅力ある農水産業の実現、経営基盤の安定や担い手の育成、地産地消の推進、ブランド化の推進はどれも重要な施策であります。指標として、現状値や5年後、10年後の目標値も明記されておりますが、持続可能な営農活動を支援することは本市にとっては重要な課題であります。
 質問要旨(1)として、本市が取り組む農業経営の安定化対策についての現況はどのようですか。また、短期、中期、長期的に今後の方針や具体的な支援をどのようにお考えになるかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) 本市が取り組む農業経営の安定化対策の現況は、本市に限らず全国的に農業者の高齢化や地域の担い手不足が深刻化しており、そのような中、農業の持続的な発展を図っていくためには、将来を担う農業者の育成、確保が最重要課題であると考えます。
 その具体的な支援策としまして、短期的には、農産物の高品質化や生産性の向上を図るため、スマート農業などの新しい技術の導入に取り組む農業者や、農業機械や農業用ハウスなどの施設を新たに導入する新規就農者に対しまして、国や県の補助金活用の支援や魅力ある地元農産物のPR活動及び販売促進を引き続き行ってまいります。
 また、中・長期的には、新規就農者の確保及び地域の担い手の育成を図り、産地の維持を支援していくことが農業経営の安定対策につながるものと考えます。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 将来を担う農業者の育成確保が最重要課題であるとのことでありますが、今年度の新規就農者への支援の状況はどのようか、お伺いします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) 令和4年度に国の新規就農者事業が見直され、新規就農者の就農後の経営発展に必要な農業機械やハウスなど、施設の導入に対しまして補助対象事業費が上限1,000万円の補助金が新設されました。西尾市では、イチゴの新規就農者5名が、この補助金を活用しましてハウスの新設や暖房機、イチゴの自動ラップ機等、農業機械の導入など、経営が不安定な就農直後の手助けを行うことができたと考えます。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) もう少し詳しくお伺いしたいんですけれども、補助金を活用したイチゴの新規就農者5名の方は農家の後継者なのか、市内在住の方が農家を始めようとしていたのか、お伺いします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) イチゴの新規就農者の5名全てが、前職は会社員や学生等の非農家であります。また、5名のうち市外からは1名、県外から1名が、本市へのIターン農家でございます。農業に興味を持ち、将来のことを考えていく中で、就農サポートが整っている西尾市を選んだと伺っております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 農業に興味を持ち、補助金を活用したイチゴの新規就農者5名であったとのことで、取組の成果であったと考えます。今後も引き続き、農業の持続的な発展を期待して次の質問にまいります。
 本市では、コロナ禍において原油価格、物価高騰による市民の経済的な負担を軽減するため、水道の基本料金を6カ月無料にしておりましたが、令和4年12月の検針をもって終了となりました。
 質問要旨(2)としまして、水道基本料金の無料化について、住民から「継続してほしい」との声を聞きますが、長引く物価高騰を踏まえどのように考えますか、お尋ねします。

◯議長(鈴木正章) 上下水道部長。

◯上下水道部長(榊原伸尚) 水道基本料金の6カ月無料化につきましては、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策として行われ、無料化した水道基本料金は、国の新型コロナウイルス感染症地方対応地方創生臨時交付金を充当いたしました。水道事業は企業会計で運営しており、独立採算制を旨とし、事業経営には自らの収入をもって行うことを原則としておりますので、水道事業単独での基本料金をはじめとした料金の無料化は考えておりません。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。幅広い住民が公平に恩恵を受けるこの施策は、とても有効な措置であると考えております。水道事業単独での料金の無料化は考えていないことは分かりましたが、水道基本料金の無料化を行った近隣市町の状況はどのようかお尋ねします。

◯議長(鈴木正章) 上下水道部長。

◯上下水道部長(榊原伸尚) 西三河地区では刈谷市が10カ月、安城市が6カ月、岡崎市及び知立市が4カ月、それぞれ水道基本料金の無料化を実施されたとお聞きしております。また、佐久島を給水区域とする南知多町でも、水道基本料金とメーター使用料の6カ月無料化が行われました。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再々質問をします。刈谷市は、10カ月無料とのことであります。市独自の支援は本当に難しいのでしょうか。この支援を期待する声はたくさんありました。市として、今後、国からの新たな交付金がある場合、その使途に水道基本料金の無料化を考えていかないかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 総務部長。

◯総務部長(齋藤利彰) 市といたしましては、これまで新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、令和2年6月請求分から及び令和4年8月請求分からの、それぞれ6カ月分の水道基本料金の無料化を実施いたしました。
 今後も、国からの交付金を活用した物価高騰対策については、市民のニーズ等を十分考慮し、必要に応じて水道基本料金の無料化についても検討をしてまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 2023年1月より、政府がエネルギー価格の負担軽減策を講じていますが、省エネできるエアコン、給湯器、電気自動車の導入も推奨しています。西尾市独自の支援を期待して、次の質問にまいります。
 先般、西尾みなみと一色町の両商工会から市長に、新型コロナウイルス感染症及び原油・原材料等の高騰を受けた事業所への支援の拡充強化などの要望書が渡されました。経営基盤の脆弱な小規模事業者の事業継続と雇用の維持確保ができるよう、事業者への助成金や給付金の拡充強化などによる消費喚起策の実施など、先行きが見通せず大きな不安と危機感を抱いておられます。ほかにも、さまざまな要望がありましたが、この要望が一番初めに挙げられており、地方新聞の見出しにもなっています。
 鳥取県では、令和5年1月から、新型コロナ円安物価高騰対策支援補助金第2次募集が始まりました。対象者は、県内の個人事業主を含む中小企業で、要件は、令和4年4月以降の連続する3カ月分の売上げが、過去3年のいずれかの年の同期間と比較して10%以上減少、補助率は2分の1から3分の1で、補助金額は15万円下限から200万円上限とのことです。補助対象事業はコロナ禍、円安、エネルギーや原材料等の価格高騰対策として行う前向きな取組であり、1)省エネ施設改修、省エネ設備整備、2)高効率・高収益化に向けた取組、3)新商品の開発、事業実施方法の転換に向けた取組、4)需要確保・販路開拓に向けた取組、こうした省エネ投資促進をはじめとする前向きな取組に対する支援のほかにも、原油価格や物価高騰により経営に影響を受けながらも事業の継続に努める中小企業者、個人事業主に対し、市独自の支援として法人10万円、個人事業主5万円を給付する東京都葛飾区の物価高騰緊急対策支援金や、大阪市や高槻市の中小企業者物価高騰対策支援金など、全国の自治体で取り入れられております。
 質問要旨(3)としまして、市内の中小企業や個人事業主に対する本市の支援はどのようですか。また、新たな新型コロナ対策、物価高騰対策の支援や補助金などを考えないかお尋ねします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) 中小企業や個人事業主に対しまして、今年度はSDGs推進事業者応援補助金とカーボンニュートラル推進事業者支援補助金を実施しております。1月末時点の状況としまして、SDGs推進事業者応援補助金は1,373件、1億2,233万1,000円の交付を行っており、カーボンニュートラル推進事業者支援補助金は91件、7,367万7,000円の交付を行っております。社会課題であるSDGsとカーボンニュートラルに対する事業者の取組を支援する制度としまして、非常に多くの利用をいただいております。
 今後の支援策につきましては、引き続き事業者との情報交換を行いまして、国や県の支援制度を情報収集しながら、西尾市として効果的な事業を検討してまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。本市は、補助金方式で賄っていることは分かりましたが、名称から物価高騰対策とは結びつきません。SDGs補助金に関しては、まだ予算執行額に達していないとお聞きしました。給付金とは意味合いが違うのではないでしょうか。ぜひとも、ほかの動向を調査することを期待するところでありますが、支援策に関して、事業者との情報交換を行うとの話ですが、具体的にどのように行うのかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) 事業者の情報交換につきましては、今年度、事業者に対しまして実態調査アンケートを実施し、1,042件の回答をいただきました。その設問の中で、「今後の支援制度を考えるために、職員が訪問してヒアリングを行うことに協力をいただけるか」との質問に対しまして、571件の事業者から「対応可能」または「タイミングによっては対応可能」との好意的な回答をいただいておりますので、その事業者を訪問し、さまざまな業種の現状や抱えている課題等をお聞かせいただきまして、単なるばらまきとならないように、頑張っている事業者を支援できる制度を検討してまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 1,042件の回答に対して、571件の事業者が対応可能であるとのことであります。この半数は、何かしらの支援を求めているかもしれません。どうか現場の声に耳を傾け、適切な支援につながることを期待し、次の質問にまいります。
 日本の学校給食法11条では、食材費は学校給食を受ける児童または生徒の保護者の負担とされていますが、東京都品川区では、小・中学校や高校生の医療費を来年度から無償化する方針を示しました。物価高騰などで厳しい生活を送る区民とともに区政を進め、姿勢を示したようであります。こうした給食費の無償化は、高槻市、青森市、葛飾区、水戸市、栗原市など、人口の多い地区でも広がってきました。
 質問要旨(4)として、教育費などの負担が大きい世帯への支援として、中学校給食費の「無償化」に対するお考えはどのようかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) 教育費は、子供の成長とともに負担が大きくなる傾向にあり、小学校と比較して中学校は保護者の負担が増えるものと認識しております。給食費につきましては、経済的な理由により支払いが困難な保護者に対しましては、就学援助制度により実質無償としております。同制度は、教育費の負担が大きくなる中学校では、学用品や校外活動、クラブ活動などにかかる費用の支給をより手厚くしております。また、育ち盛りの子供たちに食育の充実に資する、より豊かな給食を提供するために給食費に市費を上乗せし、スペシャルメニューを提供しているところでございます。
 厳しい財政状況の中においては、事業の取捨選択が求められております。限られた財源を有効に使うという意味においては、給食費の無償化ではなく、老朽化した学校施設の改修など、安心で快適な教育環境の整備を進めていくことを優先してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 就学援助制度により実質無償となり、老朽化した学校施設の改修などを進めていくとのことでありますが、子供のウェルビーイングに直結する喫緊の課題であります。また、子供は私たちの宝であり、家庭の経済状況と結びつけて制限を設けるべきではないとも考えます。物価高騰で家計が厳しい状況の中、教育費などの負担が大きい中学生や高校生世帯への支援を期待して、次の質問にまいります。
 ホームページで、各自治体の物価高騰の支援の取組状況を調べた際に気づいたことがありました。コロナ禍や原材料高騰による各自治体の支援策は数多くあり、なかなか目的のページにたどり着くことが困難でした。そういう中で、鹿児島県薩摩川内市のホームページでは、物価高騰対策に関する市の対応について、各種支援情報が一覧で掲載されており、市民生活への支援と事業者等への支援も同ページの構成であり、とても分かりやすく、受付が終わったものに関しては赤字で強調をされています。本市のホームページを確認したところ、生活福祉や産業振興など各部局ごとに分かれており、緊急性や必要性の高い情報と区別がつきづらく、目的に応じた事業が分からないと調べにくくなっております。受付の期限も一目では分かりません。少し工夫を凝らせば改善できるものと考えますが、質問要旨(5)としまして、各種支援情報について、市民が理解しやすいよう市ホームページに支援情報一覧を掲載しませんか、お伺いします。

◯議長(鈴木正章) 総合政策部長。

◯総合政策部長(西尾隆治) 物価高騰対策の各種支援情報につきましては、広報にしおや市ホームページなどで広く周知しているところでございます。議員おっしゃったとおり、物価高騰により影響を受けている市民の皆様が、より理解しやすいよう市ホームページに支援情報一覧を掲載するなど、情報を体系的に整理することは効率的に情報提供ができ、また市民が必要とする情報をワンストップで入手できる方法であると考えております。
 市民の皆様が必要な情報に早く到達できますよう、今後は各部局が発信しています支援情報を集約した一覧のページを設けるとともに、トップページに物価高騰対策支援に関するバナーを設置するなど工夫をいたしまして、相手の立場に立った分かりやすい情報提供に取り組んでまいりたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 今後、取り組んでいただけるとのことでありますが、市ホームページへ支援情報一覧を掲載するのはいつ頃ですか、お伺いします。

◯議長(鈴木正章) 総合政策部長。

◯総合政策部長(西尾隆治) 市ホームページへの掲載時期につきましては、令和5年3月末を目標にできるだけ早く実施してまいりたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 改善につきましては、できるだけ早い実施を期待します。分かりやすくスムーズな情報の共有や可視化をすることで、迅速な意思決定にも役立ちます。
 市民生活においても、事業においても、支援情報はタイミングやスピード感が極めて重要です。さまざまなもの、ことが絶えず変化し続けている現代社会では、スピード感の欠如は大きなハンディキャップとなりますので、分野横断された情報の整理は大変なことと理解しておりますが、ぜひよろしくお願いいたします。
 次の議題にまいります。議題2 「食」に関する取組についてであります。
 日本では、食品ロス削減に向けた取組が進んでいます。国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち12.3や12.5番目の目標、2030年までに世界全体の食品ロスを半減させる取組に取り組むため、日本政府も積極的に取り組んでおります。政府は、食品ロス削減推進基本法を制定し、国民に対して食品ロス削減に関する啓発活動を行うなど、積極的な取組を進めています。本市も、政府や企業、自治体、一般市民などと連携して食品ロスの削減に取り組まなければなりません。
 食に関する課題としましては、持続可能な食品生産が不可欠であり、農業における土地の破壊、農薬や化学肥料の過剰使用、水の乱用など環境に悪影響を与える食品生産の問題があります。また、食品ロスや廃棄物の問題、食品の価格とアクセシビリティーとして、貧困層や低所得者の人々が健康で安全な食品にアクセスすることができない場合があります。それらに加えて、食文化の多様性による伝統的な食文化の創出や、食育や食を通じたコミュニケーションも重要であると考えます。そのような観点から、生きていく上で最も大切な食に対して、本市の考え方をお尋ねします。
 質問要旨(1)本市の残った給食の処理はどのようですか。また、SDGs達成のため食品ロスを減らすよう、食品残渣の再利用をさらに推進しないかお尋ねします。

◯議長(鈴木正章) 子ども部長。

◯子ども部長(榊原稔裕) 子ども部関係分について、ご答弁申し上げます。
 給食が残ってしまった場合は、自園調理の保育園におきましては、生ごみとして業者に収集を委託し、コンポスト堆肥事業として再利用しております。また、今年度から運営しているセンター給食園におきましては、残菜をセンターに回収後、細かく粉砕して廃棄処理をしておりますけれども、今後、自園調理園と同様に再利用できるよう検討していきたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) 教育委員会関係分について、ご答弁申し上げます。
 学校給食の食品残渣につきましては、佐久島しおさい学校を除く市内全ての小・中学校を対象に、収集業務を委託しております社会福祉法人が堆肥化を行い、農家などに提供して有効利用されております。また、佐久島しおさい学校につきましても、生ごみ処理機で処理をした後、肥料として使用をしております。
 今後も、SDGs推進に向け、引き続き全ての食品残渣の再利用を継続してまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 学校と保育園、給食センターでは廃棄処理の方法が違うことが分かりました。以前も質問しましたが、今後も、さらに堆肥化率の向上や農福連携で廃棄物の削減を期待して、次の質問にまいります。
 令和4年6月議会で、松井議員が事業系食品ロス削減で、安城市の食品ロスマッチングサービス「Anjo たべRing by タベスケ」の運用について触れられておりましたが、SDGs達成のため食品ロスを減らす、なくす取組として期待できると考えます。当時より、「タベスケ」への登録自治体の数が増えているようにも感じますが、その後の本市の検証の結果をお伺いします。
 また、2023年1月20日のNHKのニュースWebでも取り上げられた「コミュニティ・フリッチ」(公共冷蔵庫)は、時間や人目を気にせず、都合がいいときに提供される食料品、日用品を取りに行ける相互扶助の仕組みです。さまざまな事情により、生活に困難を抱える方が増してきていることを感じているところでありますが、経済の影響による仕事の事情、離婚や介護などの家庭の事情それぞれに理由があります。そして、それは誰にでも、ある日急に訪れるかもしれないことです。特に今、物価高騰や新型コロナウイルスの影響で困難を抱える状況になった方が全国的に増えています。こうしたときこそ、困ったときはお互いさまの気持ちで助け合いたい。コミュニティ・フリッジは、この助け合いの精神で提供くださる個人、企業、商店などからお預かりした食料品、日用品を各地域に設置された冷蔵庫や冷凍庫にて、いつでも無料で渡す仕組みです。そのような観点から、お尋ねします。
 質問要旨(2)食品ロスを減らす取組として、「タベスケ」の導入や「公共冷蔵庫」を設置しないかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 環境部長。

◯環境部長(高須 耕) 環境部関係分について、ご答弁申し上げます。
 インターネットフードシェアリングサービス「タベスケ」につきましては、今年度4月から運用を開始いたしました安城市へ現在の状況を確認しましたところ、ネットサービスに参加していただく飲食店や小売店から、ネット上に商品を紹介する手順が負担となることによりまして、参加店舗が想定していたよりも集まらない等の問題が生じているようでございます。
 また、運用開始から10カ月近くが経過したわけですけれども、昨年10月に安城市の市制70周年記念イベントで実施をしましたリサイクルフェアで、16件の利用があったんですけれども、それ以外には毎月の実績はないということでございました。それで、西尾市での導入につきましては、引き続き安城市の状況等を確認しまして、このサービスが有効なものかどうかということを、いま一度検討しながら検証してまいりたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 健康福祉部関係分について、ご答弁申し上げます。
 公共冷蔵庫は、一部の地域で取組が始められておりますが、自治体主導というよりは、主にNPO法人やボランティア団体、民間機関などが主体となって運営しているもので、余った食材などの提供を受け、生活困窮者などへの食料支援として活用されております。
 当市の状況について、フードバンクにしおの事務局である西尾市社会福祉協議会によれば、誰でも利用できる冷蔵庫の設置となれば、その費用や場所の確保、食材の鮮度管理など課題が多く、現状では困難と認識をしているとのことです。
 なお、フードバンクにしおでは大型冷蔵庫を保有しておりますので、主に食品会社から冷蔵食品の提供を受けて貯蔵し、利用者や子ども食堂へ配布しております。また、現在、市内のコンビニエンスストアと提携して、食材などの回収BOXの設置を検討しており、実現すれは幅広い地域の方から協力を得ることが期待できます。これらの取組により、生活困窮者支援の充実とともに、食品ロス削減に貢献できるものと考えております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) フードドライブも選択肢の1つと考えますが、課題に関してある程度の理解はできますが、公共冷蔵庫の導入に積極的な自治体は日本全国に存在します。東京都の多摩市では、公共冷蔵庫の設置を促進するために、設置に必要な費用の一部を助成する制度を設けています。また、茨城県笠間市では、市内のスーパーマーケットや商店街、自治体施設などに公共冷蔵庫を設置し、市民に対して食品ロス削減の呼びかけを行っています。ほかにも、秋田県大館市では、市内の公共施設や商業施設に公共冷蔵庫を設置する取組を行っています。
 課題を克服し運営することで、地域コミュニティの形成にも役立つと考えられます。公共冷蔵庫を導入することで、食品ロス削減や地域経済の活性化、食品支援、環境保護など、さまざまなメリットが期待できます。できない理由を探すのではなく、できる方法を模索していただけることを願って、次の質問にまいります。
 本市の特産品には、ウナギや抹茶以外も数多くあります。花きやイチゴ、キュウリやナス、トマトやイチジク、魚介類ではアサリ、ノリ、エビ、カニ、シャコやアナゴに、徳川献上品でもあった佐久島産のナマコなど、数えきれないほどのラインナップであります。その特産品を生かしたご当地グルメの開発や情報発信をホームページやLINEで紹介し、誰でも閲覧できるようにして、消費者が直接買うことができるように生産・加工・販売業者がつながり、ブランド化や販路拡大が進むよう促すべきと考えます。
 そこで、質問要旨(3)としまして、本市の「食」に対する取組はどのようですか。また、魚介類や農産物などを紹介し、ブランド化や販路拡大を促進するよう促し、食で活性化を目指さないかお尋ねします。

◯議長(鈴木正章) 産業部長。

◯産業部長(加藤英之) 食に対する取組としましては、食への理解と地元農産物の購入機会の提供を推進しております。例えば、農作業体験学習の一環として、田植えやかかしづくり、稲刈りから食すまでの一貫した体験機会の提供をはじめ、親子料理教室や食育講座など各種料理講座の開催、また地元農産物の魅力を広く知ってもらうため、梨、イチゴ、ミニトマトなど地元農産物を扱った物産展への出展や、即売会の開催などを実施しております。
 本市では、全国有数の生産量を誇る抹茶やウナギは、地域ブランドとして確立されており、米・麦やイチゴ、キュウリ、畜産物のほか,水産物ではノリ、アサリをはじめ多種にわたる魚介類が水揚げをされております。これら豊富な地域食材をPRしていくことは、地元農産物の販売促進やブランド化にもつながるものと考え、SNSの活用や各種生産者団体が行うPR活動に対する支援を行ってまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 東海市では、料理レシピサービス「クックパット」の公式アカウントを取得し、管理栄養士が作成した健康料理レシピや、とまと記念館での提供メニュー、トマト給食メニュー、人気のある学校給食アレンジメニューのレシピなどを掲載して、食の活性化に取り組まれています。いつでも、どこからでも本市のすばらしい特産品が手に入れられるために、地域食材をPRするだけではなく、消費者が買いやすくなるような事業スキームにつながるよう期待して、次の質問にまいります。
 ヤングケアラーとは、本来、大人が担うような家事や慢性疾患や障害を持つ家族の介護などを、日常的に行っている未成年者のことを指します。このようなヤングケアラーがいる家庭では、家族の介護や家事などに多くの時間や労力を費やすため、食事の準備や調理に時間を割けない場合があります。ヤングケアラーの支援策として、ヤングケアラーへの配食サービスを提供している自治体が日本全国に存在します。兵庫県西宮市をはじめ、東京都中野区、神奈川県川崎市、大阪府吹田市、北海道苫小牧市などです。また、地域によっては、民間企業が提供する配食サービスを利用することができる場合もあります。自治体によっては、ヤングケアラー支援の一環として、配食サービスに補助金を出す制度を設けていることもあります。
 このサービスは、ヤングケアラーがいる家庭に栄養バランスのよい食事を提供するものであり、一般的には配送業者が家庭に食事を届け、必要に応じて温めるだけで食事ができるようになっています。本市においては、ヤングケアラーの把握をしているところと認識しておりますが、具体的な支援策は見えていません。
 質問要旨(4)としまして、「ヤングケアラー」とその家族を対象に配食サービスを提供し、家事の負担軽減を目指しませんかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 子ども部長。

◯子ども部長(榊原稔裕) ヤングケアラー対策につきましては、現在、愛知県等が主催する理解促進シンポジウムや関係機関研修会に本市の関係課職員が参加し、職員の資質向上を図るとともに関係課による打合せを行い、支援策について協議している状況であります。
 ヤングケアラーがいる世帯を対象とした配食サービスは、兵庫県がモデル事業として開始している状況ですが、本市といたしましては、どのような支援が適当であるかを検討し、判断してまいりたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) これにより、市内にどれだけヤングケアラーがいるのかニーズを見きわめられ、潜在化するケアラーの実態把握にもつながると考えます。ヤングケアラーの子供が多いのに対し、行政側の支援はまだ十分とは言えません。学業に時間を割くことができず、学力への影響が懸念されます。また、部活動や友達と遊ぶ時間が奪われ、交友関係が希薄になり、孤独を感じる子供が出てくるのも問題です。また、介護が必要な家族のケアなどで昼夜逆転してしまうことで、体調を崩してしまうケースもあります。物価高騰のあおりを受け共働きのご家庭が増える中、ヤングケアラーの子供たちのために、どうか本市も前向きに取り組まれることを期待します。
 次の質問にまいります。学校の黙食が、去年の文部科学省の通知で、適切な対策を行えば会話は可能となりましたが、実際には黙食が続いていると感じております。
 質問要旨(5)として、学校給食中の「黙食」を緩和し、会話を可能にすべきと考えますが、市はどのようにお考えになりますか、お伺いします。

◯議長(鈴木正章) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) 県から通知された教育活動の実施等に関するガイドラインでは、食事中の会話について、「食事中は会話を控えるように指導する」から「食事中は大声での会話を控えるように指導する」との改訂がなされ、本市でも、各校の実態、感染状況に応じて黙食の緩和を慎重に進めるように通知いたしました。しかし、その後、第8波により全国的に感染状況が悪化し、黙食の緩和が進んでいない状況が続いております。現在、マスクの着用の見直しなど、コロナウイルス感染症への対応も大きく変わりつつあります。児童・生徒にとって楽しく充実した給食にするためにも、各校の実態、感染状況に応じて黙食の緩和を進めるよう指導してまいります。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 学校給食における黙食の弊害には、身体の発達の影響として次のようなものが考えられます。
 黙食が続けられることで、食事中に話すことや交流することができないため、生徒たちはストレスを感じることや、社交性やコミュニケーション能力の発達に影響を与えたりします。また、食事に対する嗜好性や満足度が低下する可能性があります。その結果、食べ残しや不必要な食べ物の摂取が起こることもあります。
 以上のように、学校給食における黙食は、生徒たちにさまざまな弊害をもたらすため、生徒たちが自由に話し合いながら食事を楽しめる環境を整えることが望ましいと考えます。コロナ感染症の位置づけが変わるこのタイミングで、適切なご指導を切に願います。
 最後の質問となります。質問要旨(6)でありますが、さきに松井議員が同様の質問をされましたので、再質問からお尋ねをいたします。
 「フードバンクにしお」や「子ども食堂」の課題として、コロナ禍に加え物価高騰のあおりを受け、ニーズが非常に多くなっており、バランスよく支援するために必要な食料等が十分に確保できていないとのことであります。活動資金も寄附金や助成金で限りがあり、今後、協力企業を増やしていくことが必要とされていますが、再質問の要旨といたしまして、支援団体側の活動を後押しする仕組みが必要であり、資金面や運営面でさらに踏み込んだ支援をする必要があると考えますが、市長のお考えはどのようかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 健康福祉部次長。

◯健康福祉部次長(酒井正樹) 健康福祉部関係分について、ご答弁申し上げます。
 フードバンクにしおは、資金調達の面では必要に応じて社会福祉協議会から共同募金の配分を受けたり、企業の寄附や民間機関の助成事業を活用したりするなど、さまざまな形で財源の確保に努めています。市としては、事務局である社会福祉協議会へ補助金を交付することで、その運営の安定を図っているところですので、それを通してフードバンクなどの活動を支援していると考えております。また、福祉課が担当するサポートスクールの実施日に併せて、同会場で子ども食堂が開催されているとともに、福祉課が発送するサポートスクールの通知には、子ども食堂の案内を同封し、PRを行っております。
 こうした双方の取組により、生活困窮世帯に対する子供の学習支援と食事提供の場の確保を図っており、今後も協力関係の維持・発展に努めていきたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 子ども部長。

◯子ども部長(榊原稔裕) 子ども部関係分について、ご答弁申し上げます。
 子ども食堂へ資金面での支援につきましては、本市の補助以外にも、愛知県が新たに子ども食堂を開設する際の支援として、1カ所当たり上限10万円、学習支援を行う際の支援として上限2万円、感染症対策の支援として上限10万円を補助しており、西尾市社会福祉協議会も運営費について、年額3万6,000円を補助しております。また、資金面以外においても、市ホームページにおける子ども食堂の紹介や小学校・中学校の就学援助受給世帯や、新たに児童扶養手当を申請された方への子ども食堂のチラシの配布、政府備蓄米の無償交付に関する情報提供、食材の寄附を希望している方をフードバンクや子ども食堂に紹介するなど、さまざまな方面で支援をしております。
 今後も、これにとどまることなく、実施団体や利用者の意見をよくお伺いし、引き続き支援策について検討していきたいと考えております。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 新規開設には、愛知県から子ども食堂推進事業補助金があることは分かりました。願わくは、この活動が各地区に広がり、各中学校区に子ども食堂が開設されることが望ましいと考えます。幸い、本市のフードバンクに対してJA西三河やスターボールをはじめ、各方面より多大な支援がいただけているとお聞きしますが、子ども食堂を運営するためには、さまざまな費用が必要となります。例えば、食材の購入費、調理器具や食器の購入費、電気・ガス・水道などの公共料金、保険料、広報費用などが挙げられます。また、従業員の給与やボランティアの交通費、運営に必要な書類の手続きに伴う費用もかかることがありますので、ぜひ月1万円の助成以外にも公共施設の利用料金や備品の無償提供など、資金面や運営面での支援を願いたいところでありますが、最後に市長に、このあたりどのようにお考えになるかお伺いします。

◯議長(鈴木正章) 市長。

◯市長(中村 健) 年明けの子ども食堂の連絡会議に自分自身も出席をさせていただいて、当事者の方々と率直に意見交換を結構の時間をかけてやらせていただきました。子育てしやすいまちづくりというと、よく何とかのサービスの無償化という議論がいきがちなんですけれども、それはそれで否定はしないんですけれども、こういった現場の最前線で頑張っている当事者の皆さんが、気持ちよくばりばりと活動できるための環境を整えていくということは、僕はすごく大事だというふうに思っていて、その連絡会議の中で出たご意見については、一度受け止めさせていただいて、今は、その会議の主催である子ども部と支援体制の充実に向けて、何ができるかというところを調整しているところでありますので、いま以上に、しっかりとサポートさせていただく中で、こうした子ども食堂の皆様方が、これまで以上にしっかりと活動できるようにしていきたいなというふうに思っています。

◯議長(鈴木正章) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) ありがとうございます。私も先日、西尾子ども食堂の方にお話を聞きに伺いました。正直なところ、西尾市の支援というのは他市に比べて手厚い方だということもありました。また、先ほど申し上げたように、JA西三河だとかスターボールの寄附をかなり手厚くご支援いただけているというところで、それでもこれから新しく始められていく事業者、各中学校区までに広げていきたいという中で、そういった資金面や運営面での支援というのは本当に、施設の利用料を免除してほしいとか、そういう本当に小さいことかもしれないですけれども、そういうところがネックになって新規の開設に向けて心を折られないような形で、後方支援という形で結構ですので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 さきに触れたウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と訳されることも多い言葉です。世界保健機構(WHO)憲章の前文では、「健康とは病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも全てが満たされた状態をウェルビーイングにある」と言います。ぜひ、第8次総合計画においてSDGsなど、時代の変化に対応するための施策を掲げられた市長におかれましては、行政のトップとして課題の解決に向けて邁進され、安心して住み続けられるまちづくりと、全ての住民が満足できるウェルビーイングの実践に取り組まれることを期待し、質問を終わります。ありがとうございました。