2023-12-01: 令和5年12月定例会(第2号) 本文

◯7番(中村直行) 新政令和の中村直行でございます。通告に従いまして、2議題14項目について一般質問をさせていただきます。理事者の皆様におかれましては、市民に寄り添った誠意あるご対応をよろしくお願いを申し上げます。
 議題1 西尾コンベンションホールの運営強化と地域活性化への新たな戦略を。
 議題の趣旨として、西尾市にとって重要な施設である西尾コンベンションホールの現状、及びその運営強化と地域活性化に資する新たな戦略について詳細を伺います。
 同ホールは、西尾市の玄関口であり、名鉄西尾駅前に位置し、2018年10月ににぎわいと交流の場として開業しました。市民にとっての文化活動の中心地であると同時に、地域経済の活性化にも貢献しております。開業から5年が経過し、この間、新型コロナウイルス感染症対策に伴うロックダウンを経験し、令和5年5月には感染症のリスク分類が下がり、新たな日常への移行期を迎えております。
 なお、運営費の補助金交付期間が残り5年となり、現在が中間地点に当たります。このタイミングで、コンベンションホールの経営状況について、詳細な検証を行うことが必要であると考えます。株式会社西尾駅西開発による運営のもと、土地は西尾市が所有し、同社が賃料を市に払っています。建物は同社が所有し、その建設には約7.7億円が投資されました。主な資金源調達は、西尾信用金庫の出資であります。経営状況について調査した結果、資本金が3,000万円まで削減され、減損会計が実施されたことが明らかになりました。これは、ホールの帳簿上の資産価値を市場価値に併せて下方修正したものです。税務面では外形標準課税の対象となっており、実際の収益ではなく外形標準(建物の大きさや立地条件)などに基づいた税金が課されています。これらの事実は、コンベンションホールの経営が財務上厳しい状況にあることを示しており、経営上の課題が存在すると考えられます。本日の議題を通じて、西尾コンベンションホールの現状及び将来について、理事者とともに深く掘り下げ、重要な側面を詳細に検証し、西尾市の将来にとって裁量の戦略を模索することを目指します。
 初めに、この施設が市の活性化にどのように貢献しているのか、補助金の交付状況や事業効果についてお尋ねをします。
 質問要旨(1)として、西尾コンベンションホールに補助金が交付されていますが、その主な補助事業内容と事業効果をどのように考えていますか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 補助事業の内容といたしましては、西尾駅西広場コンベンションホール等運営費補助金交付要綱に基づき、コンベンションホール等の敷地に係る前年度に納付された賃料の2分の1及びコンベンションホール等の家屋及び償却資産に係る前年度に納付された固定資産税の合計額を補助するもので、令和5年度の補助金額は1,113万5,000円でございます。事業効果につきましては、講演会や会議、各種団体の総会、展示会などに利用されていることから、目的とする西尾駅前の活性化や賑わいの創出に一定の効果があるものと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 財政状況に焦点を当て、この施設が経済的に自立しているかどうかを確認します。
 質問要旨(2)としまして、西尾コンベンションホールの現在の財政状況はどのようか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 西尾コンベンションホールの財政状況でございますが、令和4年度の収支実績でご答弁申し上げます。令和4年度の収支実績といたしましては、約1,500万円の損失となっておりますが、減価償却費を除いて考えますと約1,400万円の利益となっており、借入れ等もしていない状況でございます。しかしながら、市からの補助金を含めての収支でありますので、経営状況としては厳しいものと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 次の質問に参ります。開業以来の運営状況と事業計画の比較を行い、実際の成果と初期の目標とのギャップを確認したいと考えます。
 質問要旨(3)としまして、西尾コンベンションホールの開業前に提出された事業計画と、現在の運営状況の間に目立った違いはあるかどうか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 事業計画にある事業実施体制、事業運営計画等について、当初の計画と目立った差異はございません。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 当初の計画と目立った差異はないとのことでありますが、コロナ禍によりかなり影響を受けて事業実施体制が計画どおりであったとは考えづらいですが、質問の趣旨がちょっと食い違ってしまったかもしれません。事業自体としては変わらなかったという理解をします。
 次の質問に参ります。施設の利用状況についても議論し、主なイベントの種類や数に注目します。これにより、ホールが市民や地域社会にとってどのような価値を提供しているか確認したいと考えます。
 質問要旨(4)としまして、西尾コンベンションホールの直近の利用状況についてお伺いをします。特に、主なイベントの種類や数はどのようか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 事業者に利用状況を確認しましたところ、令和4年度の全体利用件数は328件で、主なものとして、民間企業の総会、講演会、説明会や催事が178件、ロータリークラブや法人会などの会議や例会が51件、市による新型コロナウイルス感染症ワクチン予防接種会場としての利用が27件などとなっております。令和4年度についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた年でありましたが、ワクチンの予防接種会場や企業による利用が増えてきたことから、利用件数は増加傾向であったと聞いております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 市による新型コロナウイルス感染症ワクチン予防接種会場としての利用があり、利用件数が多かったことは分かりました。
 次の質問に参ります。現在の稼働率と過去の変遷を検討し、施設の需要と供給のバランスを確認します。
 質問要旨(5)としまして、現在の稼働率はどのようか。また、稼働率が開業から現在までどのように変化しましたか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 現在の稼働率としましては、コンベンションホール開業の平成30年10月から数えて5年目に当たる令和4年10月から令和5年9月までの1年間で、稼働時間の実績を基にご答弁いたします。
 時間当たりの稼働率としましては、コンベンションホールとしての大ホールは約40%、会議等で利用される多目的ホールは約63%となっております。
 なお、開業からの稼働率の推移につきましては、1年目は大ホールが約47%、多目的ホールが約42%ですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた2年目から4年目は、大ホール、多目的ホールともに約30%前後と利用が少なくなっております。現在は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の位置づけで5類感染症に移行され、利用者が増えてきている状況となっており、当初想定していた稼働率に近づいていると事業者から聞いております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 当初想定していた稼働率に近づいているとの報告を受け、少し安心しております。しかし、利用者数の増加に向けて、行政による伴走型の支援が引き続き必要であると考えます。
 最後に、株式会社西尾駅西開発との共同プロモーションの可能性や、追加の財政支援による施設の強化と地域経済の影響について、お尋ねをします。
 これらの要素が、西尾コンベンションホールを地域のランドマークとして確立し、より広範な地域活性化を図るために不可欠であると考えます。
 質問要旨(6)といたしまして、株式会社西尾駅西開発との共同プロモーションや追加の財政支援の実施により、財政状況を改善し、西尾コンベンションホールを地域のランドマークとして確立させるとともに、地域経済の活性化を図りませんか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 市としましては、西尾駅周辺の賑わい創出を目的に、様々なイベントを開催しており、これらの事業等と連携することにより、西尾コンベンションホールの利用を図ることも考えられますので、株式会社西尾駅西開発や庁内関係部局と調整しながら利用について検討してまいりたいと考えております。
 なお、追加の財政支援につきましては現時点で考えておりませんが、西尾駅前に立地している西尾コンベンションホールは、市としましても重要な施設であると考えておりますので、新型コロナウイルス後の稼働率が回復していることや、今後の利用促進に向けた企業努力なども考慮しながら検討してまいりたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 株式会社駅西開発の長田代表取締役に、西尾市に対して何かご要望などはありませんかと伺ったところ、西尾駅周辺に商業施設を増やしてほしいと懇願をされました。市内外から訪れる施設の利用者や、インバウンドが少しずつ回復基調にある隣のアクセスイン西尾の利用客が、回遊するところがないとのことであります。西尾中心市街地整備の推進に当たっても駅前が寂しいと、市長と語る市政懇談会でもご意見がありました。そのような観点から、2点ほど再質問をします。
 再質問1としまして、周辺地域の活性化を目的として事業の多様化、新規事業の創出、商業施設の周辺整備について検討しませんか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 産業部長。

◯産業部長(山本吉明) 産業部関係分について、ご答弁いたします。
 西尾コンベンションホール周辺の中心市街地につきましては、現在、地域経済の活性化に向けた中心市街地活性化ビジョンの策定を進めております。これに向けた具体的なアクションといたしまして、空き店舗の活用を推進し、昨年度は2件、本年度は4件を予定しております。また、周辺公共空間の活用といたしまして、まちなかにぎわいパートナー事業を令和4年度から実施をしておりまして、今年度につきましては、子供の主体性を育む店舗運営体験会や市民映画の上映会といった多様性のある新たな事業も実施をされまして、令和5年9月末時点で139件の事業が実施され、西尾駅周辺の活性化が促進されているものと考えております。

◯議長(本郷照代) 都市整備部長。

◯都市整備部長(吉田修二) 都市整備部関係分について、ご答弁申し上げます。
 周辺の商業施設などについては、西尾駅周辺に飲食店や商業施設を求める市民からの声も聞いておりますので、民間事業者からの意見も取り入れながら西尾駅西再開発事業用地、いわゆるB地区の用地でありますが、利活用について検討をしてまいりたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。再質問要旨2としまして、施設の効果的な活用についてはどのように考えていますか、お尋ねします。

◯議長(本郷照代) 交流共創部長。

◯交流共創部長(石川孝次) 西尾コンベンションホールを活用した観光施策としましては、吉良氏800年祭関係の歴史講演会を令和2年2月、令和3年2月、令和4年4月に開催するとともに、eスポーツ事業としまして、令和5年1月に西尾市eスポーツ最強決定戦を、令和5年10月にテクノスポーツを体験できるデジタルパークを開催しております。デジタルパークでは、同時に歴史公園でN-1お笑いライブを、西尾駅で駅前ふらっとコンサートを開催することで、西尾駅から歴史公園を結ぶまちなかの賑わいにつなげることができたと考えています。
 今後につきましても、名鉄西尾駅に隣接するという交通のメリットを生かしながら、集客数などを総合的に勘案して、市内外からの誘客を目指すイベントを中心に開催していきたいと考えています。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 本議題のまとめとして、西尾駅周辺の地域経済のさらなる活性化を目指し、西尾コンベンションホールを地域の象徴的なランドマークとしての地位を確立するための取組が重要であると考えます。この目標を達成するためには、市民、商業者、そしてほかの関連機関との緊密な連携が不可欠です。協働の努力により、西尾市の持続可能な発展を促進し、市民の皆様にとってよりよい未来を創り出すことを期待して、この議題を締めくくります。
 続きまして、議題2に参りたいと思います。不登校・ひきこもりの生徒と障害者の自立を目指して~重層的支援体制の推進を~ということであります。
 本議題は、不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立支援に関わる現状の課題とその解決策について、本市がどのように取り組んでいるのかを深く探求し、今後の方針を明確にしたいと考えております。
 コンパス、あゆみ学級、校内教育センターなどの施設が果たす役割と効果、また令和4年度の不登校の状況やその原因、さらには特別支援学校の卒業生の進路状況など、多岐にわたる問題について議論し、解決策を模索していきたいと思います。これらの取組が、子供たちや障害者の社会的自立にどのように寄与していくのか、またどのように改善していくべきなのかを検討することは、自治体にとって重要な責務であります。さらに、本市における障害者の雇用の促進、就労移行支援事業者が直面している課題、公共交通の補助問題、そして特例子会社の現状など、包括的かつ実践的な視点で取り組むべき重要なテーマについても議論を深めていきたいと思います。最終的に、本市の地域共生社会推進部の設置についても議論し、全ての市民が安心して暮らせる、支え合いのある社会を目指すべきかどうかを検討していきたいと考えております。
 それでは、質問要旨(1)に移りたいと思います。不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立支援において、コンパス、あゆみ学級、校内教育支援センターが果たす具体的な役割と効果はどのようですか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) コンパスでは、子ども・若者のひきこもりや不登校の悩みなどを受け付ける、ワンストップの相談センターとしての役割を担っています。そのため不登校やひきこもり、あるいは障害者のように分けるのではなく、相談者一人一人の悩みに応じ、それぞれの社会的自立に向けたゴールを設定して、オーダーメイドの伴走型支援を行っています。その中で、小・中学生の相談に対しては毎月の実務者会議で、あゆみ学級をはじめとする学校関係機関と連携協議を行うとともに、各ケースについて学校と情報共有を行っています。
 また、件数としては少ないですが、障害者の自立支援に関する相談があった場合には、障害者の相談支援事業所である地域活動支援センター「めだか工房」や、相談支援センター「あると」などにつなぎ、適切な福祉サービスを受給できるようにサポートするなどしています。あゆみ学級の役割は、不登校児童・生徒の学校生活への復帰のための指導及び支援や社会的自立を図ることにあります。また、校内教育支援センターの役割は、自分の教室に入りづらくなった子供が、ストレスを感じることなく登校し、学習や相談ができるようにすることにあります。
 いずれも特別な支援を要する児童・生徒に対しては、在籍校や保護者と連絡を密にし、個に応じた支援ができるようにしております。その効果といたしましては、教室に入りづらくなった児童・生徒が落ち着いて学習をしたり、同じ場所で過ごす仲間と交流したりできるようになることが挙げられます。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) コンパス、あゆみ学級、校内教育センターが不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立支援において重要な役割を果たしていることが分かりました。これらの取組は、特別な支援を必要とする児童・生徒が学習に集中し、ほかの生徒と交流する機会を持つことを可能にしています。
 そこで再質問します。教育は、子供たちの将来を形づくる基礎であり、その重要性は計り知れません。本市における不登校の児童・生徒数は令和3年度のデータ(小学校は155人、中学校332人)を踏まえてどのような状況にありますか、お尋ねします。

◯議長(本郷照代) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) 令和4年度の不登校の状況は令和3年度と比べ、小学校が28人増加して183人、中学校が41人増加して373人となっております。増加の原因といたしましては、保護者の登校に対する意識が変化したことや、長期化したコロナ禍によって学校生活において様々な制限がある中で、行事などでほかの子供と関わる機会が減り、人間関係を築くことが難しくなったことなどが考えられます。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 令和3年度と比較し69名増加し、小・中学校合わせて556名の不登校の児童・生徒が存在している、この数字は私たちにその問題の深刻さと対策の緊急性を深く考えさせられます。児童・生徒一人一人の教育環境を改善し、よりよい未来を築くための取組で、本市にはあゆみ学級がありますが、中学校の義務教育を終えた後の社会的自立が懸念をされます。
 質問要旨(2)といたしまして、不登校やひきこもりの問題の対応が、単に学校や家庭の範囲を超えて地域全体での支援体制の構築が求められていると考えますが、あゆみ学級での学習を経た生徒が進路選択をする上で、学校法人白百合学園はどのように扱われていますかお尋ねします。

◯議長(本郷照代) 教育部長。

◯教育部長(齋藤武雄) 学校法人白百合学園は、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う西尾市唯一の身近にある専修学校として、あゆみ学級に通う生徒だけでなく、市内の全ての中学生に広く紹介しております。教育委員会では、毎年、夏休みに不登校の生徒、保護者を対象にした進路相談会を行っております。多くの学校に参加していただいておりますが、学校法人白百合学園にも学校紹介や個別相談をしていただいております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 白百合学園は、地域産業が必要とする即戦力となる人材育成を目指し、今後、共学化への転換を計画しています。この動きは、不登校やひきこもりの生徒、さらに18歳以上で新たな技術習得を希望する市民にも、教育の機会を提供することを意味しております。これにより、白百合学園は本市にとって極めて価値ある教育機関としての役割を一層強化することが期待されます。引き続き、連携をお願いいたします。
 質問要旨(3)といたしまして、にしお特別支援学校の初めての卒業生が社会に巣立ってから半年が経過しました。彼らの進路はそれぞれに決定していますが、ここで重要なのは、卒業後のフォローアップの質と範囲です。特に自力での再就職が難しいとされる生徒たちにとって、卒業後も継続的なサポートが不可欠です。これらの生徒たちが社会にスムーズに適応し、自立できるように伴走型の支援を強化する必要があると考えますが、愛知県立にしお特別支援学校の令和4年度の進路状況や令和5年度の進路見込みはどのようですか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 進路状況について学校にお聞きしましたところ、令和4年度卒業生34名のうち、一般就労が2名、障害福祉サービス利用者として就労移行支援5名、就労継続支援A型が1名、B型が13名、生活介護が11名、そのほかが2名とのことです。また、5年度は卒業見込み28名のうち、進学が2名、就労移行が1名、就労継続A型が1名、B型が13名、生活介護が9名、未定が2名とのことです。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。要旨(1)としまして、特別支援学校の卒業生の卒後定着状況とアフターケア体制について、現状と課題及び今後の取組方針を教えてください。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 市としましては、卒業後の就労定着状況は把握しておりませんが、学校側で卒業後、数年間は職場訪問を行うなどの事後フォローをしているとのことです。課題としては、特別支援学校卒業生に限らず、一般就労が継続できなかった場合の福祉的就労への移行調整が挙げられます。
 今後の取組としては、学校の進路担当と相談支援事業者及び福祉課が連絡を密にし、情報共有を図りながら必要な支援につなげる体制を整えていきたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。市民が直面している課題の1つに、障害者の法定雇用率に関する現状と達成状況があります。この問題は、障害を持つ市民の職業生活における機会均等と社会参加を推進する上で重要な意味を持ちます。しかし、残念ながら多くの場合、法定雇用率の達成は容易ではありません。そこで、本市における障害者の法定雇用率の現状についてもお伺いし,もし達成されていない場合、その理由と課題についてのご見解を伺いたいと思います。
 要旨2の再質問としまして、障害者の法定雇用率の現状と達成状況、未達成であればその理由をどのように考えるか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 現在の法定雇用率は2.3%で、ハローワーク西尾管内の雇用率は令和4年6月1日現在で1.90%となっており、未達成の状況であります。未達成の原因については、はっきりとは分かりませんが、雇用率は企業の本社が所在するハローワークの所管ごとに集約されるため、西尾市に本社がない企業に就職しても雇用率に反映されないこと、全体的に市内よりも市外で就労している方が多いと思われること、中小企業が多く採用の余裕がないことなどが考えられます。
 なお、雇用率は、今、申し上げた算定の仕組みに影響されておりますが、障害者の就労の実態とは必ずしも一致するものではないと思っております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 次の質問に参ります。私が注目すべき重要なテーマは、本市における障害者の雇用促進とそれに伴う就労支援体制です。障害者の社会参加と雇用の促進は、持続可能な社会構築と多様性を尊重する文化の確立にとって不可欠な要素であります。この観点から、本市における障害者雇用の現状と、それを支える就労支援体制の効果性、そして直面している課題について深く掘り下げて議論する必要があります。本市の障害者雇用の促進に向けた現在の取組と、これらの取組が抱える問題について明確な見解を求めます。
 質問要旨(4)本市の障害者雇用の促進を目的とした就労支援体制の現状と課題はどのようか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 就労支援の取組として、障害者の一般就労を促進するため、ハローワークと共同で市役所にて障害者就職面接会を開催しております。また、特に法定雇用率を達成していない市内企業を中心に訪問による啓発活動を行い、障害者の理解を深めていただくとともに新規採用の機会の確保に努めております。
 なお、すぐに一般就労が困難な障害者については、就労に必要な知識、能力の向上のために必要な訓練を行うことにより、一般就労に結びつける就労移行支援や就職後の安定を図る就労定着支援などを行っております。一方で、関係機関の連携により就労支援の体制は整っているものの、市内企業に就労支援事業所の認知が低く、特別支援学校の新卒者に比べて中途採用が芳しくないこと、また既に障害者を雇用している企業は、さらなる雇用の拡大に協力を得られやすいのですが、雇用が皆無の企業については理解を得ること自体が困難であることなどが課題と考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 本市の障害者雇用促進及び就労支援対策は、一定の進展を見せているものの、まだ多くの課題が存在しているということです。市役所とハローワークの共同による障害者就職面接会の開催や企業への啓発活動は、障害者の雇用機会の拡大に貢献をしています。また、就労移行支援や就労定着支援などのプログラムは、障害者が職場において必要なスキルを身につけ、長期的な雇用を維持できるよう支援していることが示されています。しかし、市内企業における障害者雇用支援事業所の認知度の低さや、特に中途採用の難しさは大きな課題であります。特別支援学校の新卒者に比べ、中途採用の障害者が直面する障壁が高いこと、さらに障害者雇用がまだない企業に対して理解を得ることの難しさは、市の障害者雇用促進策における改善が必要な点であります。これらの課題を克服するためには、市内企業に対する障害者雇用の重要性とメリットに関するさらなる啓発と教育、就労支援体制のさらなる強化が求められます。
 また、障害者雇用の成功事例を積極的に共有し、企業の理解を求める取組も効果的です。全体として、障害者の雇用を促進するためには、市、企業、教育機関、関係機関の連携と協力が重要であることが考えられます。
 そこで質問要旨(5)としまして、本市における就労移行支援を行う事業者が直面している課題を、どのように認識されていますか。また、課題解決に向けた取組はありますか、お伺いをいたします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 先ほども申し上げましたが、就労移行支援は就労を希望する障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれるものにつき、生産活動、職場体験などの機会の提供、そのほかの就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、求職活動に関する支援、その適正に応じた職場の開拓等の支援を行うものであります。課題としましては、利用期間が原則2年と限られており、利用者ごとに就労意欲、就労能力、就労目的、体調面のフォローやメンタルヘルス対応、家庭環境など様々に異なる中で、その利用者に合った訓練方法、一般就労へのプログラムを提供するのが難しいことが挙げられます。課題への取組として、支援の実効性を高めるため、利用者や事業者の意向を基に必要に応じて利用期間を1年延長するとともに、就労支援事業所や相談支援事業所を含み、地域自立支援協議会の就労支援部会において協議しながら、連携して就労移行支援から一般就労に結びつくための環境づくりを進めていきたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 数点、再質問をします。交通手段が不足している就労者に対し、公共交通の補助を提供することを検討しないか、お尋ねをします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 公共の交通手段が不足し、通勤に支障を来しているという状況は、障害者に限ったことではありませんので、この問題は地域の交通資源全体の在り方が議論となるところだと思っております。また、通勤手当など、従業員の通勤を確保するための方策は、企業にその責務が求められるものですので、市としての補助は考えておりません。
 なお、本市における障害者に対する交通支援としては、六万石くるりんバス及びいっちゃんバスでは、障害者手帳の提示により運賃を無料としております。また、障害の一定要件を満たす方には福祉タクシーチケットの交付を行っておりますので、これらの制度をご利用いただければと思っております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。就労移行が成功した場合、事業者に奨励金を提供し、そのプロセスを促進することは考えられますか。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) ご意見のように、結果を出した事業者に対しインセンティブを与えることは、事業の活発な取組を促す有効な手段の1つと考えます。しかしながら、市内の事業者には市外の利用者もいることや、本市の障害者でも市外の事業所を利用されている方もあり、どのような範囲やケースを対象にするのか制度設計は容易ではなく、単独の市で行うよりも国や県により広域的な対応が必要になると思っておりますので、市としては、今のところ実施は考えておりません。また、障害福祉サービスは事業の性質性や支援体制に基づいて、国が適切にサービス対価を定めているとともに、就労支援移行は一般就労の達成が本来的な目的でありますので、いわば当然の成果に対して報奨金の上乗せが妥当であるのかどうか、検討すべき課題もあると考えております。市としては、今後、国の動向や近隣市の取組などを注視していきたいと思います。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 再質問します。特例子会社は、病気や障害を持つ労働者に対して特別な配慮を行い、より働きやすい環境を提供する企業の子会社です。これらの企業は、障害者の社会参加を促進し、雇用機会を拡大するために重要な役割を果たしています。本市における特例子会社の状況を理解し、さらにこれらの企業の設立と運営をどのように支援し促進するかが、今後の大きな課題であります。特例子会社の設立は、障害者の法定雇用率の達成に大きく寄与し、企業にとっても社会的責任を果たす上で有効な手段であります。しかし、これらの企業の設立と運営には多くの挑戦が伴います。
 再質問要旨3としまして、本市の特例子会社の現状はどのようですか。また、これをより積極的に推進する計画はありませんか、お尋ねします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) ハローワークに確認しましたところ、現在、西尾の館内で特例子会社は1社とのことです。本社は自動車部品等の関連会社ですが、特例子会社の事業内容としては緑化樹木の剪定、清掃・廃棄物処理、各種修繕作業などとなっております。障害者を本業で雇用するか、特例子会社を設立するかなどは企業の経営判断によるところでありますので、市として推進する計画はありません。特に会社を1つつくるとなると、相応の設備投資や人員体制の確保が必要となり、容易にできるものではありませんので、ハローワークとしても相談があれば助言をしていきますが、それよりも障害者雇用率の向上を目指して、市内企業に対する障害者雇用についての理解促進に優先的に取り組んでいきたいということでした。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 市として、推進する計画はありませんということですが、特例子会社の設立と運営は障害者雇用の増加に有効な手段であります。その実現に向けて、私は4つの戦略を推進することを提案します。
 まずは、認知度の向上のために情報提供キャンペーンを実施し、特例子会社の概念とメリットを企業に多く周知します。次に、税制優遇や助成金などのインセンティブを提供し、企業が特定子会社を設立しやすい環境を整えます。さらに、特例子会社設立に関する専門的な相談窓口や支援体制を整備し、手続きの支援を行います。最後に、既存の特例子会社の成功事例を共有し、ほかの企業にとっての模範となるケーススタディーを提供することで、より多くの企業に特例子会社設立の意義を理解してもらうことが可能であると考えます。
 次の再質問に参ります。就労支援事業所からの提案として、公的機関の業務を就労移行の対象とする可能性についてのご意見をいただきましたが、この点に関し、本市としての考え方をお伺います。環境業務やシルバー人材センターなど、本市における特定の分野での就労移行と雇用の促進を検討しませんか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 環境業務においては、ごみ収集業務、クリーンセンター施設管理などがありますが、所管の部局に確認しましたところ、作業によっては危険を伴うものもあり、またシルバー人材センターの会員は原則60歳以上の方を対象としておりますので、必ずしも障害者の就労先として適した分野とは言えないと思っております。市としましては、特定分野への就労移行というよりは、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律に基づき、物品及び役務の受注の機会を積極的に確保することにより、障害者の雇用機会の創出に努めていきたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 直接の雇用ではなく、物品及び役務の受注の機会を積極的に確保することにより、障害者の雇用機会の創出に努めていきたいとのことでありますが、市役所において障害者就労施設からの物品等の調達状況はどのようですか、お伺いします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 令和4年度の実績で申し上げますと、物品については生ごみの減量のため市民に配布するEMぼかし、作業用の軍手、戦没者追悼式記念品の蚊帳布巾、健康にしおマイレージ事業景品のお菓子など7課で10件、合計365万6,040円を調達しております。また、役務については、学校及び保育園給食の生ごみ収集、市営住宅空き家等の除草作業、看護専門学校敷地外周の草刈り、老人憩の家などの樹木剪定など7課で12件、1,851万5,643円を発注しており、物品と役務を合わせて2,217万1,683円となっております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 市役所は、障害者就労施設などから物品やサービスの調達に積極的に取り組んでいることが理解できます。具体的には、調達品目と発注額の公開は透明性を高め、市民に対する信頼を築く上で有効であります。今後の支援において、このような取組がさらに発展し、障害者就労支援のみならず、地域経済や社会福祉の向上にも寄与することを期待します。
 次の質問に参ります。令和5年10月に稼働しました、西尾市基幹相談支援センターに関するものです。このセンターの主な役割や内容、それが不登校やひきこもりの生徒、さらに障害者の自立にどのように影響を与えているかをお尋ねします。特に、センターがどのようして、これらの個人のニーズに対応し、彼らの社会的自立を支援しているのかお尋ねします。
 質問要旨(6)としまして、西尾市基幹支援相談センターが提供するサービス内容と、これらが不登校・ひきこもりの生徒や障害者の自立にどう影響しているか、お尋ねをします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 本市では、障害者相談支援事業を市内3法人に委託し、それぞれの専門性を生かした相談事業を展開してきました。令和5年10月から、3法人の相談支援事業所を基幹相談支援センターとして位置づけ、稼働を始めたところです。基幹相談支援センターは、地域における障害者の相談支援の中核的な役割を担う機関であり、具体的な機能としては、総合的・専門的な相談支援を行うことに加え、地域の相談支援事業者への専門的な指導、助言及び人材育成や各種相談機関との連携強化並びに施設、病院等から地域生活へ移行を進める普及啓発やコーディネートなどがあり、センターを中心に各機関が連携を深め、障害者支援を展開していくものとなっております。
 ご質問の不登校・ひきこもりの生徒に特化したものではありませんが、背景には精神障害や発達障害、知的障害などが要因となっている場合もあり、相談支援により適切なサービスとつながること、学校を卒業しても基幹センターの1つである地域活動支援センターが居場所となることで、孤立を防ぎ、自立に向けた足がかりになっていくものと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立支援におけるワンストップサービスの提供と、その効果的かつ総合的な支援の実現について考察しますと、福祉の問題は多くの場合、庁内の複数の関係部課にまたがり、そのためには窓口の一元化という形で、重層的支援体制の整備が不可欠であると考えます。地域共生社会の基盤として縦割り行政の問題を解決し、どのような相談にも答える体制の構築が必要とされています。
 質問要旨(7)としまして、重層的支援体制整備に取り組むことで、不登校・ひきこもりの生徒、障害者の自立支援におけるワンストップサービスの提供により、効果的かつ総合的な支援が実現されると考えますが、本市の見解はどのようですか、お尋ねをします。

◯議長(本郷照代) 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(酒井正樹) 議員のご意見のとおり重層的支援体制整備事業は、地域住民の複合化・複雑化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を整備するための1つの有力な手段と考えております。この体制は、地域共生社会の基盤となるものであり、本質的には縦割り行政の弊害をなくし、制度の狭間にある人も含めて、どんな相談でも受け止める「断らない相談支援」を行うものであると認識しております。ひきこもりの問題も子供に限らず、中高年に至るまで幅広く及ぶなど、それも含めて社会の問題は複合化・深刻化しており、総合的に受け止めていける入り口支援の在り方が大変重要となっております。
 重層的支援におけるワンストップ体制には様々な方法があり、これまで各専門分野で蓄積されてきたノウハウを生かしながら、各機関の連携強化の形で臨むなど、本市の実情に合った体制の構築を検討していきたいと考えております。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 最後の質問に参ります。本市における不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立に関する課題は深刻であり、これらの問題に対して、市としての一層の取組が求められています。現行の行政体制では、これらの課題に対する対応が縦割りによって分断され、効率的かつ包括的なサービス提供が困難であるとの指摘もあります。この状況を改善するために、新たに地域共生社会推進部を設置すべきと考えます。
 質問要旨(8)としまして、本市に「地域共生社会推進部」を設置し、不登校・ひきこもりの生徒や障害者の自立支援を強化し、縦割り行政の課題を解決する効率的なサービス提供体制を構築すべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。

◯議長(本郷照代) 市長。

◯市長(中村 健) 中村直行議員の縦割り行政の弊害に対する問題意識については、大いに共感をするところであります。この組織の形式論みたいなところを突き詰めて考えていくと、多分究極的なところは1部1課制みたいな形で、何でもやります部、何でもやります課みたいな感じて、全て組織が成り立っていることになると思うんですけれども、多分それは現実的ではなくて、そういう中で便宜上、それぞれの部門に分かれて今組織があるというふうに思います。その地域共生社会を推進していくに当たって、地域共生社会推進部をつくるという考え方は多分あると思います。別に否定をするつもりはないんですけれども、ただ全体の組織の実態が変わらない中で、部門の組み直しをするというのは、言ってみれば物事の切り口を変えるだけの話であって、その地域共生社会推進部を設立すると、地域共生社会の推進の部分では前進するんですけれども、多分違った分野で同じような問題が起こるだけだと思っていますので、僕としては、そこがあまり現実的な選択肢として必ずしも最善だとは正直思っていないです。
 この問題と似たような話として、子ども・若者総合相談センターのコンパスがありますが、現在、生涯学習課が担っていますけれども、あれを例えば教育委員会が持つのがいいのか、福祉部門が持つのがいいのかとか、それ専用の部署を立ち上げるのがいいのかという話だと思います。多分、そこが決定的な重要ではなくて、子ども・若者の話で言うと、コンパスを運営してくれている一般社団法人パーソナルラボと出会えたというところが決定的に重要であって、あの民間の事業者の頑張りによって西尾市というのは、この部門において本当に県内でも屈指の充実した支援体制と成果が上がっているというふうに思います。
 ですから、地域共生社会の推進に当たっても、僕としては,いかにより融通が利いて柔軟に動ける民間のプレーヤーを掘り起こしていくかということが大事であって、そこの掘り起こしとか有機的につなげるためのことなどは、行政としてやらなければいけないんでしょうけれども、そういったところをしっかりやっていくことが大事かなというふうに思います。
 あと、縦割りの弊害の話として、総合窓口の設置というのがありますが、この福祉部門に限らず、市役所内部で総合窓口というものの設置に向けてけんけんがくがくとした議論をやったことがあります。結論ありきではなくて、本当に是々非々でいろいろな議論をしてもらった挙げ句、当時はなかなか総合窓口のメリットが、西尾市の市役所のつくりからすると、そこまでメリットがないだろうということと、ただそうは言っても県内で初の取組としておくやみコーナーはできたという、そういった成果はありました。この重層的支援体制の話でも何年か前から同じような話は聞いていて、議員の皆さんからの考えと、担当部局の考え方の隔たりは、この2年ほどあまり縮まってないのかなというふうに思います。
 これについては、一番大事なことは、多分実態としてそういった相談に来られる方々に対して、しっかりとした対応ができているかどうかという話がというふうに思います。頭の中の観念的な話だけで、総合窓口をつくった方がいいのか、今現状でできているのかというところを議論しても多分水かけ論になると思うので、例えば何月何日にこういう人が、こういう案件で、どこどこ課に相談に来ましたけれども、市の対応としてこういう対応でした、これは全然対応ができてないのではないですかというような事例をたくさんいただければ、それは現状として対応できてないということは、我々として認めないといけないというふうに思います。
 そういったときについては、しっかりと形として現状変えていくように直接指示はしますので、理屈の部分だけではなくて,実際に市民の対応ができていないなら教えていただいて、そうであればしっかりと反省をして変えていきますので、そういった形で情報提供などをいただければありがたいかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 熱のこもった市長のご答弁に感謝を申し上げます。現在の体制で、重層的支援体制がとれていることに一定の評価はします。ただ、先ほど言われたように入り口の部分はコンパスですごくいいと思うんです。すばらしいことなんです。ただ出口を皆さん迷われていて、あゆみ学級が15歳までですとか、18歳の壁もあったり、8050とか、コンパスの支援が終わった39歳以降の方というのは、障害者なのか、障害者でもないのにひきこもっている方はどこが受け皿なのか、福祉課なのか、教育なのか、40歳はさすがに教育は違うとかあろうかと思います。
 そこで、最後に私の思うところは、先ほどもおっしゃられたように縦割りの部を縦の糸として、横の糸となる地域共生社会推進部の設置は本当に有効だと思っております。分断型の施策を効率的に実施するということは、市民の声に応じた必要十分な支援を提供できます。地域共生社会推進部というのは、重層的支援体制整備だけではなくて、基幹相談支援センターや地域包括支援センター、市民病院との連携、社会福祉連携法人の整備、生涯学習プログラム、学校における命の教育、生活困窮者への居住支援など、多岐にわたる政策を一元的に管理し、実施することが可能になると思っております。組織横断的な協力体制こそが重要な体制構築のプロセスと考えます。先ほど言われた市長の答弁の中で、出口の部分についてだけ最後、お伺いします。
 この問題の背景に8050問題というものが存在します。この日本の地方自治体にとって深刻な問題で、この問題は80歳の親が50歳のひきこもりの子を持つという状況から名づけられました。この8050問題やコンパスの支援を終了した後、必要とされる40歳以上の自立に困難を抱える住民に対する担当部局というのはどこになるのか、お伺いをしたいと思います。

◯議長(本郷照代) 市長。

◯市長(中村 健) 申し訳ないですけれども、現状として8050について専用の窓口はないので、市民の方からすると、そこの問い合わせに困ることはあるのかなというふうに思います。その8050も含めた地域共生社会というのは非常に大きなビジョンであって、ただ自分も選挙公約の中で推進を掲げているように、非常に共感するところであります。それについては、制度という形の部分と実態の部分と両方が伴わないと、多分うまく機能しないというふうに思いますので、形の部分だけでなくて、実態の部分でいろいろな民間とも話をしながらつくっていきつつ、それが形の部分でも現状が不十分であれば、そこを変えるのは全然いとわないので、そういった形で一気にはいかないかもしれませんけれども、しっかりとその方向に向かって進んでいけるように取り組んでまいりますので、またいろいろなご意見をいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

◯議長(本郷照代) 中村直行議員。

◯7番(中村直行) 本当に市民、住民ファーストで、お互い誰一人置き去りにしないというところを目指していきたいと思います。
 本日の議論を通じて、不登校やひきこもりの生徒、障害者の自立を支えるためのさらなる施策の策定につながることを、理事者の皆様にご期待をして終わりたいと思います。ありがとうございました。
      〔7番 中村直行 降壇〕

◯議長(本郷照代) 中村直行議員の質問は終わりました。